アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
スキーとやちまなこ
2010年02月19日
釧路湿原
この3年ほど、冬に温根内木道の掛け替えが行われています。
今期は2009年末より奥の高層湿原エリアと、最もビジターセンターに近い入り口付近の工事が行われ、2月上旬に全て終了しました。
今は全コース歩けます。
しかも、通常冬の木道はスキーやスノーシューを使って歩かなければならないところ、作業のために除雪されたので長靴でも高層湿原まで往復できてしまいます(お得?)。
とはいえ、楽しさの点ではやはりスキーがおすすめです。
木道に雪のないところはスキーを外して歩くか、あるいはちょっと木道を外れて迂回する必要もありますが、迂回ついでに夏は入り込めない湿原の上を直に歩けるのは積雪期ならではの体験です。
(今年は雪の布団で湿原の植生もしっかりガードされています)
さてここの木道、入り口付近の見所として、大きな「やちまなこ」があります。
真新しい木道のすぐ側の水面、これが自慢のやちまなこ。
やちまなことは、湿原の中にぽっかりと開いた小さな沼のようなもの。
落とし穴のように、見た目は小さくとも深くて奥行きがある構造になっています。
湿原の説明をするときにはこのやちまなこに長い棒を差し込んで深さを体験してもらったり、元気な子供たちに「湿原にはこんなに深いところがあちこちにあるんだよ~だから木道の上を歩いてね~」とお願い(おどし?)してみたりと、「つかみ」としてなかなかか重要なポイントです。
冬は表面が凍っていることが多いのですが、この日は写真のとおりぽっかりとあいていて・・・心なしか湯気まで立っている気がしたので、水温を測ってみることにしました。
温度計の先を水面に入れました。
その途端、やちまなこの底が動いたのでびっくり!
ざわざわっと小さな物が一斉に動いたのです。
正体は小さな魚。やちまなこの底にはたくさん魚が集まっていました。
見えますか?黒っぽい細長いの、全部魚です。(恐らくトゲウオの仲間)
魚を眺めながら待つこと5分。
期待の水温はプラス5.1℃でした。
一方、気温は-7.2℃。
5℃という水温は私にはとても冷たく感じられましたが、気温との差が12℃もあると点を考えれば、魚たちにとっては十分温かいのでしょうね。
(魚のいる底のほうまで温度計が届けばもう少し水温が高かったのかもしれませんが)
地下水は比較的温かいので、湿原では湧水ポイントに魚やカエルなど水棲生物が集まって冬を越すことが知られています。
ここも湧水が底から出ているか、近くから流れ込んでいるのだと思います。
そして温かいということは、溶けやすい(あるいは凍りにくい)ということ。
ここ以外にも木道周辺には水面をのぞかせていたり、雪の上に水がにじんでいる「あやしい!」場所がいくつかありました。
木道のまわりには思い思いに「迂回」したスキーやスノーシューの跡がたくさんついていて、歩いた方々の楽しそうな様子が目にうかぶようでした。
でも徐々に温かくなっていくこれからの季節、安全のためにも雪の下には「目覚めかけ」のやちまなこが潜んでいる可能性をちょっと意識してほしいと思います(スキーが「やちまなこダイビング」になってしまうと大変なので)。
「迂回」は木道から離れすぎず、ほどほどに楽しんで下さいね。
夏はイソツツジなどの高山植物が咲き競うミズゴケ湿原も今は一面の雪野原に!
どこまでも歩いていってしまいそう・・・
*歩くスキーは温根内ビジターセンターで借りることができます
是非、カウンターでフィールドの様子やコースの情報など聞いてからお出かけ下さい。
温根内ビジターセンター
冬期開館時間:10時~16時(火曜日休館)
今期は2009年末より奥の高層湿原エリアと、最もビジターセンターに近い入り口付近の工事が行われ、2月上旬に全て終了しました。
今は全コース歩けます。
しかも、通常冬の木道はスキーやスノーシューを使って歩かなければならないところ、作業のために除雪されたので長靴でも高層湿原まで往復できてしまいます(お得?)。
とはいえ、楽しさの点ではやはりスキーがおすすめです。
木道に雪のないところはスキーを外して歩くか、あるいはちょっと木道を外れて迂回する必要もありますが、迂回ついでに夏は入り込めない湿原の上を直に歩けるのは積雪期ならではの体験です。
(今年は雪の布団で湿原の植生もしっかりガードされています)
さてここの木道、入り口付近の見所として、大きな「やちまなこ」があります。
真新しい木道のすぐ側の水面、これが自慢のやちまなこ。
やちまなことは、湿原の中にぽっかりと開いた小さな沼のようなもの。
落とし穴のように、見た目は小さくとも深くて奥行きがある構造になっています。
湿原の説明をするときにはこのやちまなこに長い棒を差し込んで深さを体験してもらったり、元気な子供たちに「湿原にはこんなに深いところがあちこちにあるんだよ~だから木道の上を歩いてね~」とお願い(おどし?)してみたりと、「つかみ」としてなかなかか重要なポイントです。
冬は表面が凍っていることが多いのですが、この日は写真のとおりぽっかりとあいていて・・・心なしか湯気まで立っている気がしたので、水温を測ってみることにしました。
温度計の先を水面に入れました。
その途端、やちまなこの底が動いたのでびっくり!
ざわざわっと小さな物が一斉に動いたのです。
正体は小さな魚。やちまなこの底にはたくさん魚が集まっていました。
見えますか?黒っぽい細長いの、全部魚です。(恐らくトゲウオの仲間)
魚を眺めながら待つこと5分。
期待の水温はプラス5.1℃でした。
一方、気温は-7.2℃。
5℃という水温は私にはとても冷たく感じられましたが、気温との差が12℃もあると点を考えれば、魚たちにとっては十分温かいのでしょうね。
(魚のいる底のほうまで温度計が届けばもう少し水温が高かったのかもしれませんが)
地下水は比較的温かいので、湿原では湧水ポイントに魚やカエルなど水棲生物が集まって冬を越すことが知られています。
ここも湧水が底から出ているか、近くから流れ込んでいるのだと思います。
そして温かいということは、溶けやすい(あるいは凍りにくい)ということ。
ここ以外にも木道周辺には水面をのぞかせていたり、雪の上に水がにじんでいる「あやしい!」場所がいくつかありました。
木道のまわりには思い思いに「迂回」したスキーやスノーシューの跡がたくさんついていて、歩いた方々の楽しそうな様子が目にうかぶようでした。
でも徐々に温かくなっていくこれからの季節、安全のためにも雪の下には「目覚めかけ」のやちまなこが潜んでいる可能性をちょっと意識してほしいと思います(スキーが「やちまなこダイビング」になってしまうと大変なので)。
「迂回」は木道から離れすぎず、ほどほどに楽しんで下さいね。
夏はイソツツジなどの高山植物が咲き競うミズゴケ湿原も今は一面の雪野原に!
どこまでも歩いていってしまいそう・・・
*歩くスキーは温根内ビジターセンターで借りることができます
是非、カウンターでフィールドの様子やコースの情報など聞いてからお出かけ下さい。
温根内ビジターセンター
冬期開館時間:10時~16時(火曜日休館)