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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

お長~い方と遭遇しました!

2010年06月03日
稚内
 それは曇っていて肌寒い日。
週末に行う外来種除去の下見で浜勇知園地に外来種の生育状況を確認しに行ったときのことでした。
アメリカオニアザミのロゼットを探しながら木道を歩いていた私は、
木道の板と板と間の隙間からきめ細かく編み込まれた縄が一本、にょろっと出ているのに気づきました。
よく見るとその縄はゆっくり動いています!
それは、気温が低いせいか動きが鈍くなっているヘビでした!
私が近づいて覗き込むと、動きを止め、長~い体のうち頭に近い部分をヒョイとくねらせてこちらを見ました。
赤い目、薄茶色の体。模様は薄くてはっきりしないけれど、シマヘビくんだと思われました。
シマヘビくんはしばらく私の様子をうかがった後、「あまりじろじろ見るなよ」という風に、
くいっと頭の向きを変えて、ゆっくりゆっくり体の残りの部分を板の隙間から引き出し始めました。


浜勇知園地で出会ったシマヘビ(上:こちらの様子をうかがう、下:赤い目と赤い舌)

 体の太さが変わらないのでまだまだ続きがあるのだと思い、どれくらい長いのだろうとドキドキしながら、
体が全部出るまで20分間くらい見守っていました。
最終的に体長は1mくらいあったのではないかと思います。


縄目模様のような鱗が美しい

 観察している間、何度かきめ細かな鱗に包まれたシマヘビくんの体がくねくねとうねり、それはそれは美しいカーブを描いてくれました。
それはヘリコプターに乗って上空から見たサロベツ川の蛇行を思い出させました。
サロベツの大地には大蛇(サロベツ川)がいる!
まさに「蛇行」を実感しました!


シマヘビの動きを見て“蛇行”を実感!(上:くねくねと体をくねらせたシマヘビ、下:ヘリコプターから見たサロベツ川の蛇行)

 体を引き出し終わったシマヘビくんは、木道脇の草むらにゆっくりと消えていきました。
写真も撮らせて貰い、「蛇行」の意味も実感させて貰い、大変有意義な出会いでした。

※黒化型のシマヘビは「カラスヘビ」と呼ばれ、サロベツではしばしば見られます。