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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

パークボランティア一斉外来種除去作業(利尻・礼文の巻)

2010年06月03日
稚内
利尻礼文サロベツ国立公園では約50名のパークボランティアが活動しています。
普段は利尻、礼文、稚内、豊富、幌延の5地区に分かれて別々に活動することが多いパークボランティアですが、今年度は利尻、礼文、サロベツの各地区で共通のテーマで一斉に活動する日をつくろう!ということが決められました。そこで、全体で取り組む共通のテーマとして選ばれたのは『外来種除去』です。

 一斉外来種除去の実施日は5月23日(日)。この前日の5月22日は国連が定めた『国際生物多様性の日』です。そして2010年は生物多様性年でもあります。
外来種の侵入。これも生物多様性を脅かす大きな要因のひとつです。
宗谷地方でも特定外来生物のオオハンゴンソウやセイヨウオオマルハナバチなど、在来の生態系に悪影響を及ぼすものの生息が確認され、人間の活動によって持ち込まれた一部の外来生物が繁茂するということが目立つようになっています。利尻礼文サロベツ国立公園パークボランティアの会では、国際生物多様性の日にちなみ、各地区で一斉にこのような取り組みを実施することで、地域の生物多様性や自然環境の保全に対する思いを共有し、より活発で充実した活動につなげたい、と考えました。

これから、各地区で取り組んだ除去作業の様子をご紹介します。

 利尻では、南浜湿原にてオオハンゴンソウ除去作業を実施しました。
参加者はPV会員8名、一般4名、そして岡田AR。計13名でした。
利尻では、何年間にもわたり毎年数回のオオハンゴンソウ除去を実施しているため、どなたもオオハンゴンソウ除去に慣れています。
ただ、今回は利尻礼文サロベツ国立公園の区域で、みんなが思いを一緒にして外来種除去作業をしているということで、疲れたとき、飽きた時に仲間を思い出しながら作業をしていたそうです。
その結果、駆除本数は、2528本と報告を受けました。

 礼文では、桃岩展望台駐車場周辺でセイヨウタンポポ、ムラサキツメクサ、シロツメクサ、カモガヤの除去を実施しました。参加者はPV会員7名、一般5名の計12名でした。桃岩歩道は礼文島内で有数の寒地植物群生地であり、貴重な高山植物が生息していますが、上記の外来植物の侵入は在来の群生地の様相を失わせる要因となりかねません。作業中は、春の暖かい日差しの中、今年初めて確認した自生の花を見つけて楽しみながら作業を行ったとのことです。
ホソバノアマナ、キバナノアマナ、エゾヒメアマナ、アキタブキ、ミヤマスミレ、タカネグンバイ、エゾエンゴサク、コキンバイ、キジムシロ、エゾノハクサンイチゲ、レブンコザクラ、フデリンドウなどの自生の花々が見られたそう。これからの季節が楽しみですね。


上:利尻でのオオハンゴンソウ除去作業(南浜湿原)、下:礼文でのセイヨウタンポポ等除去作業(桃岩展望台周辺)