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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

【日本のいのち、つないでいこう! COP10まで100日前】

2010年07月09日
釧路湿原
森のいのち

釧路の森を歩いていると、ミズナラ(どんぐりの木)の大木が倒れているのを見つけました。
直径はおよそ1.5m。
恐らく100年以上はここにひっそりと立っていたことでしょう。
今年の冬の厳しい風雪に耐えられずに倒れてしまったのかもしれません。


可憐な春の花の時期が終わった北海道の初夏の森は樹木の葉が一斉に茂り、薄暗くなった林床では見かける花も少なくなります。

充分な陽の光を浴びることのできなくなった植物はどことなく元気が無いように見えます。

大木が倒れたこの場所では森の上にぽっかりと大きな穴が開き、強い日差しが森の中まで降り注いでいます。



そんな光の差す森の中では、この時をじっと待っていたかのように若い樹木が青々とした葉をいっぱいに広げ、貪欲に陽の光を受けて成長しようとしていました。

やがて森の中にぽっかりと開いた穴は若い樹木達によってふさがれることでしょう。

そして倒れた大木は様々な虫の住み家となり、それらを食べる鳥たちに恵みを与え、さらには菌類などに分解され、土に還り、やがて森の養分となります。



私たちに憩いや安らぎを与えてくれる森の中では、長い年月をかけて様々ないのちの受け渡しが静かに行われています。

そんなことを考えながら森の中を歩いてみるのはいかがでしょうか?