北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

この夏の利尻山

2010年07月27日
稚内
7月も残すところあと1週間。
残念ながら・・と言いましょうか、長期予報通り7月は曇り空が続いています。
そのため樹林帯の道はいつもぬかるみ気味。特に沓形(くつがた)コースの登山口から避難小屋の間は、粘土質の土壌の上に浮石がゴロゴロしていて滑りやすいので要注意です。沓形コースを歩きたい!という方には、「下り」より「登り」に使うことをオススメします。
それと、これは鴛泊(おしどまり)コースでも同じですが、転んだ時のために手袋を用意しておくとよいでしょう。
鴛泊コースの登山口には、靴洗い場(ブラシもあります)があるので、ぬかるみを避けて植物の上を歩かないようにしてください!


鴛泊コース4合目付近
この時期は、写真のようなぬかるみがたくさん出来ています。



また利尻山は風が強い山としても有名。
特に悪天日、6合目より上では体が吹き飛ばされるような風が吹くこともあるので、無理して登山を強行しないように予備日を設けるくらいの余裕ある計画を立ててお越しください。

さて、それと話は変わって、7月末から環境省の直轄事業による登山道整備が始まります。
工事区間は、鴛泊コースの8合目付近から9合目の下までの間で、期間は7月末から9月中旬頃までを予定しています。工事期間中は、週末を除く毎日作業を行っているので、通行の際は作業員の誘導に従っていただくようお願いします。

今年の工事では、主に深く掘れてしまった登山道の土留め(床止工)と排水工(導流水制工)の設置を行ないます。
みなさんも、どこかの山で雨や雪解け水の流れ、登山者の踏圧などで深く掘れてしまった登山道を見たことがないでしょうか?登山道が溝のようになると、水の流れ道になってしまい、人が歩かなくてもどんどん掘れていってしまいます。そうすると歩きにくいところを避けて通る登山者が現れて、新しく道が広がってしまう・・・そんな悪循環をたち切って、歩きやすく、かつ水の流れを制御する道にするのが登山道整備の目的です。
作業している方を見かけたら、「ごくろうさまです」と声をかけてみてください!


写真左は、鴛泊コース避難小屋付近で、今年度これから整備する場所。右は、鴛泊9合目付近で昨年度整備した場所です。木柵によって溝の低い部分と、登山道脇の斜面の土砂が安定しました。


なお、登山道では、屈強な作業員さんの他、写真のような可憐な花々にも出会えます。
鮮やかな青い色は夏の利尻の海のよう。これらの花が咲き誇るのは8月中旬頃まででしょうか。いずれも夏を締めくくる花です。


(上左)イワギキョウ(上右)リシリリンドウ(下)リシリブシ