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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

雨の日の歩行について

2010年08月16日
稚内
8/10(火):礼文島西海岸の8時間コースに歩道の調査に行ってきました。当日は雨は降らなかったものの登山道全域が深い霧に覆われほとんど晴れ間はありませんでした。
私は礼文島常駐ではなく、稚内から出張しているのですが、ここ最近私が島に渡るといつも霧がかかっていて、気持ちのよい青空を見ることがほとんどありませんでした。




霧のゴロタ岬(8/10撮影)

ふと、いつ以来青空の下を歩いていないんだろうと思ったので、今年7月の礼文島の気象データを調べてみたところ、降水量227mm、日照時間は53時間ほどでした。過去のデータと比べてみると、昨年は降水量141mm、日照時間54時間、一昨年は降水量52mm、日照時間が110時間ですから、今年はどれだけ雨が多く日照時間が少なかったか分かります。
そのため、現在礼文島の歩道全域でぬかるみや水たまりが非常に多くなっています。




現在、島内全域で多くなっているぬかるみ。(8/10,江戸屋山道にて撮影)

ぬかるみや水たまりが多い場合、滑りやすく歩きづらいという問題と、もう一つそれを避けようとして歩道脇の植生に踏み込んでしまうという問題があります。一度植生に踏み込んでしまうとそこに足跡ができ、あとを歩く登山者がその足跡をたどります。そうして何人もの人に踏まれ続けることで道幅が徐々に広がっていきます。しかも、道幅が広がることで失われた植生はすぐには回復しないのです。歩道の荒廃を防ぐために、雨が降っている時や降ったあとは、水たまりに入っても平気な装備で歩き絶対に植生に踏み込むことがないよう皆様のご協力をお願いします。




歩道の複線化:右が古い道で、左が新しい道。ぬかるみを避けて植生の上を歩くことで道幅が広がっていきます。(8/10、8時間コ-ス召国=めしくに~アナマ岩間にて撮影)

歩道が荒廃すると周りの植生にも悪影響が及んでしまいます。礼文島のかけがえのない植生をまもるためにも歩道は大切に利用していきましょう。

(※歩道で傘を差して歩いている方をまれに見かけますが、手がふさがったまま歩いていると大変危険です。また狭い道ではすれ違いづらいのでレインウェアをご持参くださいますようご協力お願いします。)