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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

樽前山登山道補修

2010年08月17日
支笏湖
8月3日、夏の短い期間だけ自然解説を行うサブレンジャーの皆さんと樽前山の登山道補修を行いました。

樽前山は7合目まで車で登ることができ、年間2万人を超える登山者が訪れる山です。
こんなに多くの人が歩くため、登山道の拡幅が問題となっています。

なぜ道が広がるのか。
答えは簡単。人が登山道の端や外を歩くからです。
写真をとりたいから、景色が見たいからという理由で登山道を踏み越えた形跡をよく見かけます。
また、他の登山者とすれ違うときに無意識に道から外れ植物を踏んでいる登山者を見かけることもあります。

樽前山は火山灰土壌でとても脆い山です。
一人ひとりがルールを守らないと簡単に道は拡幅し、植物は死んでしまいます。

このような被害を防ぐため、登山道の一部を歩きやすく、山にも負担のかからないよう補修を行いました。
道の端を歩くことで周囲の植物に負担をかけないよう、石を利用して登山道の中央を歩いてもらうようにしています。
およそ3時間ひたすら石を拾っては寄せる作業は暑さとの戦いでもありました。
サブレンジャーの皆さん、お疲れさまでした。


山に登る人は、普段から自然に対しての興味はあるのだろうと思っています。
ですがきれいな花や雄大な景色を眺めることで自然の大切さを実感している中、無意識のうちに足下の土や植物に負担をかけていることにも気付いてください。


また、樽前山は7合目まで車で行けるため軽い気持ちで登る登山者も多いようです。
溶岩ドームまでの距離は短いのですが、登山道にはちいさな軽石が散らばっているため転びやすく、また濃霧や強風に襲われることもあります。
山頂まで1時間でも標高1000mを超す山ですし、この山には水場はありません。

樽前山に登る場合は最低でも軽登山靴や上下セットの雨具、そして水を1L以上持って行くようにしてください。