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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

【日本のいのち、つないでいこう! COP10まであと10日】

2010年10月08日
釧路湿原
カイツブリ、只今子育て中!

ここ釧路湿原野生生物保護センターには施設の裏に池があり、鳥の渡りのシーズンである春と秋になると数多くの水鳥が羽を休め、渡り鳥達の中継地点になっています。
今年もマガモ、コガモ、ヒドリガモなどが確認され始め、本格的な渡り鳥のシーズンと秋の訪れを感じています。

そんな中、裏の池ではカイツブリのヒナが10月1日に産まれたのです。


背中の上からヒナが顔を出しています。分かるかな?


カイツブリ科では日本最小のカイツブリは、大きさが26cmほどのとても小さな水鳥で、北海道では春から夏にかけて繁殖のために飛来し、冬になると本州以南に戻ります。
このカイツブリもつがいで6月に飛来し、巣を作り、卵を温めていたのですが、暴風雨で巣を流されてしまったり、カラスに卵を盗られたりして、なかなかうまく卵のふ化まで至りませんでした。
昨年は繁殖に失敗していたので、今年もダメかなぁとあきらめていた時に1羽のヒナが確認できたのでとても驚いています。


親の背中の上にいるヒナ


しかし、とても心配なことがあります。

ここは北海道東部。
釧路の周辺では紅葉が見ごろを迎え、日に日に寒くなっていくのを感じています。
センターの裏の池も例年11月後半には結氷してしまいます。

今はまだ親の背中の上で甘えているヒナも、あと1カ月と少しの間でここを旅立たなければならないのです。
それまでの間に長い旅を続ける為の体力と飛翔力を付ける必要があります。

間に合うのかな?

少し心配になります。

私たちが出来るのは暖かく見守り、応援する事くらいです。

野生生物保護センターの2階には裏の池が見渡せる場所があり、望遠鏡も置いてありますので、ただいま子育て中のカイツブリを見ることが出来ます。
センターを訪れた際にはぜひこのカイツブリを応援してあげてください。

一昨年産まれたカイツブリのヒナ