アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
礼文島巡視報告②
2011年01月25日
稚内
前回の記事で礼文島南部の様子をお伝えしましたが、今回は北部に巡視に行ってきましたのでその様子をお伝えします。
スコトン岬
礼文島の北限スコトン岬は左右どちらも海で遮るものが何もないため、常に強い風が吹いている場所です。この日の気温はマイナス5℃くらいでしたが、強い風のため体感気温はさらに低く感じます。駐車場から岬の先端に向かう歩道は風が強いこともあり、積雪は少なめですが、ところどころ吹きだまって深雪になっているところがあるので、岬の先端まで行くには長靴が必要です。風は強かったものの空気は澄んでいたので、無人島の海驢島(とどじま)がよく見えました。ここで、生き物の気配を探してみたのですが、この日はオオセグロカモメが数羽いた以外その他野鳥やアザラシなどの生物を確認することはできませんでした。
岬の先端に向かう歩道。正面に海驢島が見えます(1/20撮影)
澄海岬(すかいみさき)
澄んだ海の岬と書く澄海岬は晴れた日にはその名の通りエメラルドグリーンの海と色とりどりの花が織りなす色彩豊かな景勝地ですが、冬の灰色の空の下では夏のような鮮やかな色彩は影を潜めていました。駐車場から展望台に向かって歩いて行くとすぐに膝まで埋まってしまうほどの深い雪が待っており、這うようにして展望台までの斜面を登って行きました。しかし、雪に足を取られながらも展望台までたどり着くとそこにはほとんど積雪はありませんでした。(たまるところにはたまっていましたが)ここでもオオセグロカモメを数羽確認することができました。
(左)斜面の陰で風が比較的弱い場所=雪が多く積もり階段の柵が埋まっています。
(右)風がまともにあたる展望台=風で雪が飛ばされてところどころ地面が見えています。
二つの地点は距離にして50mぐらいですが、雪の積もり方にこれだけの差があります。(1/20撮影)
久種湖(くしゅこ)
礼文島の北東部、船泊(ふなどまり)集落のほど近くに久種湖という周囲4kmほどの湖があります。最北の湖といわれるこの久種湖は渡り鳥たちの休息の場となっており、時期によって大型の猛禽類から、小型の鳥まで数多くの野鳥を観察できるバードウォッチングスポットです。
現在は湖全体が凍結していますが、氷が融けだすころ湖の南部でミズバショウが咲き始め、礼文島に春の訪れを告げてくれるでしょう。
凍結した久種湖(1/20撮影)
礼文島は12月中は雪が降っても気温が上がったり、雨が降ったりでほとんど積雪がなかったのですが、年始の豪雪もあり、現在は島一面雪に覆われています。ただ、礼文島は東海岸沿いでは比較的積雪が多いのですが、逆に風衝地となる西海岸沿いは積雪がほとんどない場所もあるなど、雪の積もり方が一様ではないという特徴があります。そして、この雪の積もり方の差こそが礼文島に高山植物が多い理由だといわれています。つまり、積雪が多い場所では雪が保温の役割を果たすため、ササなどが生息しているのに対し、風で雪が飛ばされてしまい土まで凍結する場所では生き残ることができるのは寒さに強い高山植物に限られるということです。礼文島にはそんな風と雪と高山植物の特別な関係があり、それが花の浮島礼文島固有の景観を形作っているのです。
スコトン岬
礼文島の北限スコトン岬は左右どちらも海で遮るものが何もないため、常に強い風が吹いている場所です。この日の気温はマイナス5℃くらいでしたが、強い風のため体感気温はさらに低く感じます。駐車場から岬の先端に向かう歩道は風が強いこともあり、積雪は少なめですが、ところどころ吹きだまって深雪になっているところがあるので、岬の先端まで行くには長靴が必要です。風は強かったものの空気は澄んでいたので、無人島の海驢島(とどじま)がよく見えました。ここで、生き物の気配を探してみたのですが、この日はオオセグロカモメが数羽いた以外その他野鳥やアザラシなどの生物を確認することはできませんでした。
岬の先端に向かう歩道。正面に海驢島が見えます(1/20撮影)
澄海岬(すかいみさき)
澄んだ海の岬と書く澄海岬は晴れた日にはその名の通りエメラルドグリーンの海と色とりどりの花が織りなす色彩豊かな景勝地ですが、冬の灰色の空の下では夏のような鮮やかな色彩は影を潜めていました。駐車場から展望台に向かって歩いて行くとすぐに膝まで埋まってしまうほどの深い雪が待っており、這うようにして展望台までの斜面を登って行きました。しかし、雪に足を取られながらも展望台までたどり着くとそこにはほとんど積雪はありませんでした。(たまるところにはたまっていましたが)ここでもオオセグロカモメを数羽確認することができました。
(左)斜面の陰で風が比較的弱い場所=雪が多く積もり階段の柵が埋まっています。
(右)風がまともにあたる展望台=風で雪が飛ばされてところどころ地面が見えています。
二つの地点は距離にして50mぐらいですが、雪の積もり方にこれだけの差があります。(1/20撮影)
久種湖(くしゅこ)
礼文島の北東部、船泊(ふなどまり)集落のほど近くに久種湖という周囲4kmほどの湖があります。最北の湖といわれるこの久種湖は渡り鳥たちの休息の場となっており、時期によって大型の猛禽類から、小型の鳥まで数多くの野鳥を観察できるバードウォッチングスポットです。
現在は湖全体が凍結していますが、氷が融けだすころ湖の南部でミズバショウが咲き始め、礼文島に春の訪れを告げてくれるでしょう。
凍結した久種湖(1/20撮影)
礼文島は12月中は雪が降っても気温が上がったり、雨が降ったりでほとんど積雪がなかったのですが、年始の豪雪もあり、現在は島一面雪に覆われています。ただ、礼文島は東海岸沿いでは比較的積雪が多いのですが、逆に風衝地となる西海岸沿いは積雪がほとんどない場所もあるなど、雪の積もり方が一様ではないという特徴があります。そして、この雪の積もり方の差こそが礼文島に高山植物が多い理由だといわれています。つまり、積雪が多い場所では雪が保温の役割を果たすため、ササなどが生息しているのに対し、風で雪が飛ばされてしまい土まで凍結する場所では生き残ることができるのは寒さに強い高山植物に限られるということです。礼文島にはそんな風と雪と高山植物の特別な関係があり、それが花の浮島礼文島固有の景観を形作っているのです。