アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
利尻山2011冬山情報
2011年01月31日
稚内
年明けから降り続いた雪も、この5日くらいは小康状態で、私はなぜか一晩ですっかり雪が消えた夢を見てしまいました・・。
しかし現実は真っ白。平地でも1月の割には多めの雪で、ポン山など利尻山麓の低山でも笹が覆われて、歩きやすくなっています。
現在の山の状況はこんな感じ↓(2011.1.27)
利尻山 空港から 110127
厳冬期に山頂が見えることは滅多に無いので、貴重な写真です!
上の写真左側のぽっこりした小山が「ポン山」で、アイヌ語で“小さな山”という意味の、見たままの名前が付けられています。このポン山は、地元の方に人気の山で、毎週、スノーシューやクロカンスキーのトレースが付いているんですよ。登山口にある日本名水百選の甘露泉水は、冬でも湧き出しています。
ほぼ同じ角度から、山頂のクローズアップ写真(2011.1.27)
利尻山山頂付近 望遠2 110127
利尻山の山頂部を見ると、ところどころに雪庇が発達しているのが分かります。写真左側の稜線が鴛泊コースで、右側の稜線で肩のように角張ったところが、沓形コースの三眺山。山頂の右に、半分雲にくれて見えているのが「ローソク岩」です。この角度で見ると、ピラミッドのように見えて、ローソクっぽくは見えませんがね。
なお、山頂の真下に見える広い斜面が、沓形コースの難所「親不知子不知(おやしらずこしらず)」です。この雪が、例年7月上旬まで残ることになるのですが、滑り落ちたら一気に下まで行ってしまうのがよく分かります。
それにしても、利尻山というのは何ともカッコイイ。
細い稜線と切り立った山容がアルピニストの心をくすぐるのがよく分かります。近年では、バックカントリースキーヤー・スノーボーダーも増えて、山肌の急斜面にスプレーを上げているのを見かけます。とはいえ、やはり人数はとても少なく、3月末頃の晴天率が高くなるまでの間に入るパーティーは、指で数えられるほどしかいません。
それもそのはず、日本海から直接吹き付ける風は猛烈で、利尻島では、平地でも北アルプスの稜線並みの風を味わうことがあります。
猛烈な風は、当然、スキーヤーにもクライマーにも平等に吹き付けます。ガスの中で見えにくい雪庇の張り出しと、その下に広がる空間も。欠航率が高くなる冬の海と空は、ケガをしてもすぐには救出に向かわせてくれませんし、なんとか下山できたとしても、大きな医療機関に直行するわけには行きません。
冬山のルートやラインは、想像力次第なところもあるので、どこがどうとも言えませんが、山以外の利尻島独特の条件についても、十分調べた上でお越しください。
それと、登山をされる方には、一点お願いがあります。
先日1月23日に、プライベートで鴛泊コースの避難小屋まで行ってきたのですが、小屋2階のドアが開きっ放しになっていて、中に雪が吹き込んでいました!1時間ほど除雪して、ドアも閉めてきましたが、留め具がはまりにくくなっているので、悪天候の中でも下山時にしっかり閉まっていることを十分ご確認の上、出るようにしてください!!
避難小屋の様子↓(2011.1.23除雪後に撮影)
※この季節の利尻山は全域がバリエーションルートです。十分な準備・計画で冬山事故の防止に努めて下さい。http://www.wakkanai-syo.police.pref.hokkaido.lg.jp/kakuka/chiiki/fuyuyamatozan.html
しかし現実は真っ白。平地でも1月の割には多めの雪で、ポン山など利尻山麓の低山でも笹が覆われて、歩きやすくなっています。
現在の山の状況はこんな感じ↓(2011.1.27)
利尻山 空港から 110127
厳冬期に山頂が見えることは滅多に無いので、貴重な写真です!
上の写真左側のぽっこりした小山が「ポン山」で、アイヌ語で“小さな山”という意味の、見たままの名前が付けられています。このポン山は、地元の方に人気の山で、毎週、スノーシューやクロカンスキーのトレースが付いているんですよ。登山口にある日本名水百選の甘露泉水は、冬でも湧き出しています。
ほぼ同じ角度から、山頂のクローズアップ写真(2011.1.27)
利尻山山頂付近 望遠2 110127
利尻山の山頂部を見ると、ところどころに雪庇が発達しているのが分かります。写真左側の稜線が鴛泊コースで、右側の稜線で肩のように角張ったところが、沓形コースの三眺山。山頂の右に、半分雲にくれて見えているのが「ローソク岩」です。この角度で見ると、ピラミッドのように見えて、ローソクっぽくは見えませんがね。
なお、山頂の真下に見える広い斜面が、沓形コースの難所「親不知子不知(おやしらずこしらず)」です。この雪が、例年7月上旬まで残ることになるのですが、滑り落ちたら一気に下まで行ってしまうのがよく分かります。
それにしても、利尻山というのは何ともカッコイイ。
細い稜線と切り立った山容がアルピニストの心をくすぐるのがよく分かります。近年では、バックカントリースキーヤー・スノーボーダーも増えて、山肌の急斜面にスプレーを上げているのを見かけます。とはいえ、やはり人数はとても少なく、3月末頃の晴天率が高くなるまでの間に入るパーティーは、指で数えられるほどしかいません。
それもそのはず、日本海から直接吹き付ける風は猛烈で、利尻島では、平地でも北アルプスの稜線並みの風を味わうことがあります。
猛烈な風は、当然、スキーヤーにもクライマーにも平等に吹き付けます。ガスの中で見えにくい雪庇の張り出しと、その下に広がる空間も。欠航率が高くなる冬の海と空は、ケガをしてもすぐには救出に向かわせてくれませんし、なんとか下山できたとしても、大きな医療機関に直行するわけには行きません。
冬山のルートやラインは、想像力次第なところもあるので、どこがどうとも言えませんが、山以外の利尻島独特の条件についても、十分調べた上でお越しください。
それと、登山をされる方には、一点お願いがあります。
先日1月23日に、プライベートで鴛泊コースの避難小屋まで行ってきたのですが、小屋2階のドアが開きっ放しになっていて、中に雪が吹き込んでいました!1時間ほど除雪して、ドアも閉めてきましたが、留め具がはまりにくくなっているので、悪天候の中でも下山時にしっかり閉まっていることを十分ご確認の上、出るようにしてください!!
避難小屋の様子↓(2011.1.23除雪後に撮影)
※この季節の利尻山は全域がバリエーションルートです。十分な準備・計画で冬山事故の防止に努めて下さい。http://www.wakkanai-syo.police.pref.hokkaido.lg.jp/kakuka/chiiki/fuyuyamatozan.html