北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

造形美

2011年02月16日
羅臼
ローマの哲学者セネカは「すべての芸術は自然の模倣である」と言った。
自然が創り出すもの、そしてその美しさに、人は感動を覚える。
ひとつとして同じものはなく、また、一切の無駄がない。

そこに生きる動物も、自然を生き抜くため、必要なもの以外は持たない。
足跡でさえ、無駄がない。
そして、それはとても美しく、ぴったりと自然に融合する。

…そんな思いを馳せながら歩いていたとき、
ふと、来た道を振り返り、がっかりした。

なんとまぁ、汚いことか。
自然と動物の織り成す芸術作品を、土足で踏み荒らしてしまった感覚に
陥った。

前足跡と後足跡が重なるキツネは、静かに一筋のラインを描く。
スノーシューを装着した私の足跡は、金具がたてる「ガチャガチャ」という音までも聞こえてきそうだ。
あ~ぁ。

がっかりと落とした目線の先に映ったもの。

あれ?これって…。だれかに似てない?!

芸術作品につけた傷跡が、垂れ目と厚い唇のかわいい顔に見えて、
なんだかちょっとだけ救われた気になった。

まぁ、これはこれである意味「芸術作品」・・・かな。