アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
礼文島冬の自然観察会
2011年02月22日
稚内
先日、2月20日(日)に利尻礼文サロベツ国立公園パークボランティアの会と環境省稚内自然保護官事務所主催の「礼文島冬の自然観察会」が行われました。当日はワシの一斉調査日ということもあり、ワシの観察をメインにカモ類をはじめとした野鳥の観察とアザラシやトドなど海の動物の観察を行って、冬の礼文島の自然に親しんでもらおうというのがテーマでした。
当日、午前9時に礼文島の北部赤岩(あかいわ)に集合し、観察を始めました。ここにはワシが集まる絶好の観察ポイントがあり、双眼鏡やフィールドスコープを使い、皆で探したところ、オオワシ1羽、オジロワシ5羽を観察することができました。ただ、日によっては合わせて15羽ぐらい集まっていることもあるので、やや少なかったのは残念でしたが、その反対にオオセグロカモメ、ワシカモメ、シロカモメ、カラスといった野鳥達が時折目の前を埋め尽くすほど横切り、ワシに負けじと存在感を放っていました。当日参加して下さった方々は、オオワシとオジロワシの見分け方と生態、カモメ類の見分け方などについてこの日ガイドを務めてくださったボランティアの方の説明を熱心に聞いていました。
ワシの姿を熱心に探す参加者たち(赤岩にて撮影)
赤岩を後にして次は礼文島の北限、スコトン岬に向かいました。スコトン岬から無人島の海驢島(とどじま)を望遠鏡で観察すると、7羽のオオワシが羽を休めていました。その姿を追っているとき、ガイドの方から「目の前にオオワシが」の声がしたのでそちらに視線を向けると、巨大なオオワシの成鳥が目の前10mほどの低空をさっそうと横切って行きました。写真を撮ろうと慌ててカメラを向けましたが、時すでに遅く、オオワシはかなたへと優雅に飛び去って行きました。しかし、翼を広げると2mをゆうに超える空の王者を間近で見ることができ、参加者一同大満足でした。スコトン岬ではほかにも雄の色彩が鮮やかなシノリガモや鵜飼いに用いられるウミウ、体の光沢が美しいヒメウを観察できました。しかし、この日のもう一つの観察対象であったアザラシなど海獣の姿は全く見当たりませんでした。
彼方へと飛び去るオオワシ(スコトン岬にて撮影)
スコトン岬を後に最後に向かったのは、船泊五番地(ふなどまりごばんち)漁港という海ガモ達を間近で観察できるスポットで、この場所でワシのような猛禽類とはうって変わって色とりどりのかわいらしい野鳥達を観察するはずでした。が、ついてみるとカモたちの姿はどこにもなく、しばらく待っても全く現れる気配がありませんでした。ガイドの方はこの日の風の向きだとカモたちは別の場所に行ってしまうことがあると説明してくれました。やはり、野鳥の観察というのは難しい・・・。天候や風向きなどによる行動パターンを把握していないとなかなかお目当ての野鳥には出合えないようです。ただ、カモたちの代わりにオオセグロカモメの大群とそれに混じったワシカモメやシロカモメといったカモメたちが飛びまわり空はとても賑やかでした。みんなで空を見上げ、しばらくカモメの観察をした後、午前11時にイベントは終了し、解散となりました。
カモメの観察をする参加者たち(五番地漁港にて撮影)
礼文島は夏には高山植物が数多く咲く花の浮島ですが、冬、花が咲いていない時期もオオワシやオジロワシをはじめ様々な生き物に出会えます。オオワシやオジロワシは春に北へ渡ってしまうため、礼文島では主に冬にしか出会えない生物です。そんな冬ならではの貴重な体験を通して冬の礼文島の魅力を発見でき、充実した一日になりました。参加者の皆さんにも冬の礼文島の自然を身近に感じていただけていたら、主催者側としてはうれしい限りです。
当日、午前9時に礼文島の北部赤岩(あかいわ)に集合し、観察を始めました。ここにはワシが集まる絶好の観察ポイントがあり、双眼鏡やフィールドスコープを使い、皆で探したところ、オオワシ1羽、オジロワシ5羽を観察することができました。ただ、日によっては合わせて15羽ぐらい集まっていることもあるので、やや少なかったのは残念でしたが、その反対にオオセグロカモメ、ワシカモメ、シロカモメ、カラスといった野鳥達が時折目の前を埋め尽くすほど横切り、ワシに負けじと存在感を放っていました。当日参加して下さった方々は、オオワシとオジロワシの見分け方と生態、カモメ類の見分け方などについてこの日ガイドを務めてくださったボランティアの方の説明を熱心に聞いていました。
ワシの姿を熱心に探す参加者たち(赤岩にて撮影)
赤岩を後にして次は礼文島の北限、スコトン岬に向かいました。スコトン岬から無人島の海驢島(とどじま)を望遠鏡で観察すると、7羽のオオワシが羽を休めていました。その姿を追っているとき、ガイドの方から「目の前にオオワシが」の声がしたのでそちらに視線を向けると、巨大なオオワシの成鳥が目の前10mほどの低空をさっそうと横切って行きました。写真を撮ろうと慌ててカメラを向けましたが、時すでに遅く、オオワシはかなたへと優雅に飛び去って行きました。しかし、翼を広げると2mをゆうに超える空の王者を間近で見ることができ、参加者一同大満足でした。スコトン岬ではほかにも雄の色彩が鮮やかなシノリガモや鵜飼いに用いられるウミウ、体の光沢が美しいヒメウを観察できました。しかし、この日のもう一つの観察対象であったアザラシなど海獣の姿は全く見当たりませんでした。
彼方へと飛び去るオオワシ(スコトン岬にて撮影)
スコトン岬を後に最後に向かったのは、船泊五番地(ふなどまりごばんち)漁港という海ガモ達を間近で観察できるスポットで、この場所でワシのような猛禽類とはうって変わって色とりどりのかわいらしい野鳥達を観察するはずでした。が、ついてみるとカモたちの姿はどこにもなく、しばらく待っても全く現れる気配がありませんでした。ガイドの方はこの日の風の向きだとカモたちは別の場所に行ってしまうことがあると説明してくれました。やはり、野鳥の観察というのは難しい・・・。天候や風向きなどによる行動パターンを把握していないとなかなかお目当ての野鳥には出合えないようです。ただ、カモたちの代わりにオオセグロカモメの大群とそれに混じったワシカモメやシロカモメといったカモメたちが飛びまわり空はとても賑やかでした。みんなで空を見上げ、しばらくカモメの観察をした後、午前11時にイベントは終了し、解散となりました。
カモメの観察をする参加者たち(五番地漁港にて撮影)
礼文島は夏には高山植物が数多く咲く花の浮島ですが、冬、花が咲いていない時期もオオワシやオジロワシをはじめ様々な生き物に出会えます。オオワシやオジロワシは春に北へ渡ってしまうため、礼文島では主に冬にしか出会えない生物です。そんな冬ならではの貴重な体験を通して冬の礼文島の魅力を発見でき、充実した一日になりました。参加者の皆さんにも冬の礼文島の自然を身近に感じていただけていたら、主催者側としてはうれしい限りです。