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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

可愛いコにさせること

2011年06月02日
羅臼
可愛いコにさせること、それは「旅」。
可愛い子には旅をさせよ、とは
子どもが可愛いと思うなら、手元において甘やかすのではなく、
世間の厳しさを教えた方がしっかりとした子どもに育つ、
ということわざですが

現在、羅臼の河川には可愛いコがたくさんいます。
そして、今まさに大きな「旅」に出ようとしています。

可愛いコたちとは、シロザケの稚魚。
そしてその「旅」とは、海での3~6年の回遊。



冬、卵からふ化した稚魚は、5~6㎝くらいになるまで川で過ごし、
春、海へと降りていきます。
小さな体で大海原に飛び出していく稚魚たち。
旅に危険はつきもの、とは言え
新しい環境で出会う全てが、稚魚たちを危険にさらすものとなるでしょう。


第一関門?河口では海鳥が待ちかまえています。

数々の危険をかいくぐって大きく成長したシロザケが、
自分の生まれた川に帰ってくるとき、
そのたくましい彼らの子孫が、卵として産み落とされます。



今、何万匹、何十万匹の稚魚たちが旅立とうとしています。
そのうち無事に帰ってこられるのは、果たして何匹でしょうか。


「可愛い子には旅をさせよ」というよりは、
どちらかというと「獅子の子落とし」だったかなー。
ともかく
無事、帰っておいでね~。