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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

ウトナイ湖 湖畔道が一部開通!!

2011年06月06日
苫小牧
新聞などでご覧になった方も居るかと思いますが、先週の3日金曜に今までウトナイ湖 湖畔と道の駅の間に設置されていたフェンスが一部分取り外されました!!




(立入禁止の頃)




(フェンスカット)



と言うのも、先月に行ったカモ類とハクチョウ類の糞の調査結果が、鳥インフルエンザ陰性で、警戒レベルも2から1へと下がったからです。(^0^)


これで、道の駅やウトナイ湖野生鳥獣保護センターにいらした方も、より近くでハクチョウなどの水鳥を観察出来るようになりました。







しかーし!!! 私はとても心配しています(><)

何がそんなに心配かというと・・・


水鳥と人の距離が近くなったことで、どうしても鳥にエサをあげてしまう人がいるからです。

基本的に野生動物には、食べ物を与えてはいけません!!

なぜか???


その1:
 野生動物にエサをあげると、彼らは「人間からエサを貰ったほうが自分でエサを採るより楽じゃーん。もう自分でエサ探すのやーめた。」と言う感じに、自分でエサを探して食べるという、野生の中で生きるために最も必要な能力を失ってしまうのです。


その2:
 人と野生動物の距離が近くなりすぎてしまうから。
 この問題は、日光のニホンザルの問題が有名ですね。観光客から、食べ物を奪い取り時には人を傷つけてしまうこともあります。
 これは人が、野生動物を私達の身近なペットと混同してしまい、安易に野生動物に食べ物を与てしまい、ほんうの野生の怖さを引き出してしまったことによるものです。野生動物は、ペットとは違うのです。

  
その3:
 これは特にウトナイ湖での話ですが、以前に人が与えた食パンを喉に詰まらせ窒息死したハクチョウが居ました。 
 基本的に野生動物は、人間とは違い、彼ら独自のお気に入りの食べ物があります。
 それは、今に至るまで長い年月をかけて、体をその食べ物に合わせて進化させ適応してきたからなのです。 そうすることで、他の生き物と同じ食べ物で争わなくてすむんですね。すべてに共通するわけではないですが。 なので、慣れない食べ物では体がびっくりしちゃうんですね。
 


他にも、野生動物にエサを与えてはいけない理由がありますが、これからウトナイ湖に行かれる方には、このことを十二分に理解していただいて、エサをあげたい気持ちを抑えいただければと思います。

野生動物とは、適切な距離を保ちつつ彼らの生活を尊重して見守ってあげましょう。


さて、今回はもう一つちょっと気持ち悪い写真をUPします。





この子達は、エゾシロチョウという蝶の子供達です。
彼らは、みんなで仲良く自分たちの家を造って暮らしています。

家というのは、この真っ白な布団。 

自分たちで糸を吐いて一生懸命造りました。

彼らはとっても寂しがりやで、一匹にすると寂しくて死んでしまいます。
可愛いでしょう。

そんな彼らは、敵が近づくと、とっても可愛い威嚇ダンスをします。

頭を左右に”フリフリ””と全く怖くない。。。 

写真を撮る私に、必死に威嚇していました。 笑