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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

風物詩

2011年06月06日
釧路湿原
5月は思いのほか寒かった釧路。
6月に入り、何となく暖かくなってきたように感じたら
エゾハルゼミが一斉に鳴きだしました。

・・・カナカナカナカナカナ

生き物の知らせで感じる「季節」は またすばらしく
本州で生まれ育った私は、このエゾハルゼミの声を聴くと
夏の夕暮れ時のヒグラシを想い、懐かしい気持ちになります。

また、ドッキリする知らせもあります。

春から夏にかけて繁殖期を迎えるカラスです。
人間が利用する場所付近にも巣を作ることがあるカラスは
子育ての時期に、巣に近づく人間に攻撃的になることがあります。
それは、巣や雛から人間を遠ざけようとする威嚇行動で、
カラスにしてみれば、子どもを守ろうとする親心なのです。

でもやっぱり危険なので
* 子育て中のカラスの巣に不用意に近づかない
* 散策路では帽子を被る
などの注意が必要です。

このような威嚇するカラスを見ると
「子育ての季節が来たのだなぁ」と感じるのです。
(巡視の中で、危険な場所等があれば注意喚起を行っています)

群れていたらちょっと恐かったり
ゴミを散らかしたり、人間からは敬遠されてしまうカラスですが
この時期は、一夫一妻制で協力して子育てを行い
また、お互いに毛繕いならぬ羽繕いをしていたり
まるでお話ししているように2羽で寄り添ったり
人間にとてもよく似た愛情表現(?)を見せてくれます。

「あら、またカラス・・・」と思いながらも
時には、じっくり観察してみると興味深いです。


*羽繕い*
(道東では一般的にハシブトガラス、ハシボソガラス
       冬に渡来するワタリガラスが見られます)


広葉樹が一斉に芽吹き 
美しい新緑の釧路湿原国立公園が始まりました

*シナノキの芽吹き*