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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

「利尻山登山情報」

2011年08月09日
稚内
8月に入り、時折、秋の空になってきたなぁと思うこの頃です。
花の季節も終盤に差し掛かってきています。

夏休みということもあってか、お子さん連れの登山者も多く見られます。
大人でももちろんそうなのですが、お子さんに無理をさせず、熱中症にも十分に気をつけてください。
汗をかいて体から失われるのは水分だけではありません。スポーツドリンクなどを用意して、塩分や糖分をうまく補給しましょう。
また、夏場の利尻登山では水を最低2リットルは持つように勧めていますが、晴天続きだった7月中旬以降、それでも水が足りず「水を分けてほしい」とおっしゃる方も少なくありません。
ちなみに私は、水2リットル+スポーツドリンク2リットルの、計4リットルの水分を持って登っています。
利尻山は標高差1500m(富士山5合目-山頂間と同じ)を往復する、厳しい山であることをお忘れなく。

9割以上の登山者が利用する「鴛泊コース」の他に、利尻山にはもうひとつ「沓形コース」がありますが、こちらは上級者向けと考えて下さい。特に一番の難所である、急斜面のガレ場をトラバースする「親不知子不知」は以前よりは浮石が落ち着いてきましたが、急斜面で足場が悪いのは変わりありません。踏み込むごとに砂や石がずり落ちていきます。



親不知子不知(おやしらずこしらず)

また、親不知子不知前後の登山道は藪に覆われていて足元が非常に分かりづらい上、道も細いので足を踏み外したり、転倒の危険があります。



親不知子不知に向かう、急斜面の道。

先週には沓形コースで捻挫し、自力下山できずにヘリで搬送された方がいましたが、「思ったより険しい山で、疲れていた」と言っていました。
登山の前には正確な情報を得て、ご自分や同行者の体力・装備に合わせた計画を立てるようにしてください。

花は、山頂付近でエゾイブキトラノオが見頃を迎えています。
登山道からは他に、(写真左上から時計回りに)ミソガワソウ、リシリブシ、エゾイブキトラノオ、リシリリンドウなどが見られます。




なお、利尻山登山にあたっては「※利尻ルール(・携帯トイレを使う・ストックにキャップを付ける・植物の上に座らない、踏み込まない)」を守っていただきますよう、お願いします。

※詳しくは利尻礼文サロベツ国立公園HP(http://www.env.go.jp/park/rishiri/guide/view_3_3/index.html)をご覧ください。

●そのほか、登山情報お問い合わせ先●
利尻町役場商工観光係  0163-84-2345
利尻富士町役場商工観光係  0163-82-1114