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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

ケアシノスリ

2011年10月13日
稚内
カラスに追われるケアシノスリ



今月3日、カラスに襲われ路上にうずくまっていたケアシノスリを保護しました。
保護したときは近づいてもほとんど動かず、顔をこちらに向けるぐらいしかできないほどで、もうダメかもしれないな、と思うような状態でした。
保護後は島の博物館学芸員の方に預け、様子を見てもらうことにしました。






数日、経過報告をしていただいていたのですが、自分で餌を食べるほど回復したため、7日に放鳥しました。
高台の樹林帯で放してみたのですが、なかなか飛び立たずに歩きまわるだけでした。
ふたたび捕まえて(簡単に捕まえられてしまったあたりが、非常に心配な点ですが…)、今度は見通しの良い木の枝に乗せて様子を見ましたが、一向に飛び立つ気配がありません。10分ほど見守っていましたが、やはり枝に留まったまま動きません。
4日間保護していたことで羽ばたく筋力が衰えてしまったのか、完全に回復していないのかはわかりませんが、ここから先は自然の成り行きにまかせる事にしました。
そして翌日、近くで飛んでいるのが確認されたようなので、まずは一安心です。



9月末から10月初めにかけての寒波のためか、環境省レッドデータブックで絶滅危惧IB類(近い将来における絶滅の危険性が高い種)に分類されているサンカノゴイなどの野鳥が、利尻島で立て続けに保護されました。

自然の営みに人がどこまで手を出していいものなのか…。
考えても答えは出ないままですが、弱っている生き物を助けたいと思う心は大事にしていきたいなと思うのです。