北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

威嚇(いかく)

2011年12月07日
洞爺湖
洞爺湖湖畔の巡視中に2羽コブハクチョウ(※1)がものすごい勢いで草を食べていました。

夢中に草を食べる2羽のコブハクチョウ

食べる事に夢中になっている隙に写真を撮ろうとしゃがみじりじり近づくと、1羽のコブハクチョウが食べるのを止め私の方をにらみ、
カメラのレンズにくちばしを向け「シャー」と大きい鳴き声で威嚇(※2)をしてきました。

威嚇するコブハクチョウ

洞爺湖では夏も冬も、年間を通してコブハクチョウを見かけ、湖畔で営巣もしています。
また、多くの人がよくエサをあげているのをみかけます。
コブハクチョウが、人からエサをもらうことにより、
人を恐れなくなったり、生存率が高まることから数が増える可能性もあります。
人間との距離が近づくと、威嚇が攻撃にかわり思わぬ事故が起きるかもしれません。
コブハクチョウは人間が洞爺湖に持ち込んだ正真正銘の外来生物です。

野生の生き物にエサをあげてしまうと、
生き物が自然の中でエサを捕って生きるという本能をうばってしまいます。
また、特定の生き物だけが増えてしまい、自然界のバランスをくずしてしまいます。
野生の生き物にはエサをあたえないでください。

※1コブハクチョウ(学名:Cygnus olor)
カモ目カモ科ハクチョウ属に分類される鳥類。
日本には本来分布していない外来種。
ヨーロッパ 、中央アジアなどに生息。

※2威嚇(いかく):自らの身を守るためや、縄張り争いなどで命に関わる攻撃のやりとりは避けるため、鳴き声や体の色を変えたり、体を大きく見せたりし、相手に自らの力を見せつける行為。