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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

救命救急の現場から~

2012年02月16日
苫小牧
こんにちは
今日は、保護された野生動物がどのようにセンターへ収容され、治療を受け、自然界に帰って行くのか、あるいは残念ながら死んでしまうのか、そのような生死を扱う現場からの1ページをご紹介します。

速報!
2012・2・10 午後
野生生物課の電話が鳴った!

上川総合振興局管内にてオオワシが、渡島総合振興局管内にてハヤブサが保護されたとのこと。
※以下、出血を伴う写真がありますのでご注意居下さい。

以下が発見から治療までの流れだ!!

保護個体:オオワシ
1、衰弱しているところを地元のハンターさんが発見・保護収容
2、環境省職員による受け取り・搬送
3、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターへ収容
4、診察:鳥インフルエンザの検査、血液検査、呼吸状態の確認、触診、体重測定等
5、内服薬を投薬し、呼吸管理を行いながら様子を見る
6、自発採餌(自分からエサを食べている)有り
今後は、内服薬の投薬を続けながら、リハビリケージ内にて経過観察とする。



※写真をクリックすると大きくなります。


保護個体:ハヤブサ
1、飛べずに居るところを発見・通報(左翼から出血あり)
2、北海道職員による一時収容
3、環境省職員による受け取り・搬送
4、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターへ収容
5、診察:血液検査、呼吸状態の確認、触診、体重測定 (気管より出血あり)
※明らかな外傷として左翼の骨折があったので鳥インフルエンザの検査は行わず。
6、安静の保持
7、動物病院にて、レントゲン写真による骨折部分の確認、場合によっては骨にピンを通して骨を着ける手術を行う。
今後は、安静を保ち経過観察とする。






と、このように我々が日常の生活を送っている中で、
かたや命の危機に瀕している生き物がいる。
そしてその命を脅かしている要因が、我々の日常生活の中に潜んでいる場合があることも心に留めておいて下さい。
沢山の命の死の上に我々の生があることを忘れてはなりません。

もちろんそれは人間にも同じく言えることで、世界中には我々が普段なら気にもとめないような些細な出来事でさえ、夢のような幸せであるとうい現実の中に生きている人々もいます。
そんな、当たり前のこと「命の大切さ・尊さ」についてこの日記を見て思い出してもらえればと思います。


両個体の今後については、状況が変わり次第みなさんにお伝えしていこうと思います。
元いた自然に帰れるその日まで!!