アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
オオワシのその後。
2012年03月16日
苫小牧
みなさんこんにちは。
いかがお過ごしでしょうか?
さて、今日は前回登場したオオワシについて動きがありましたので、ご報告致します。
なんと!
オオワシちゃん (多分メスです) が釧路のワイルドライフセンターへ旅立ちました。
今回の移送は個体の野生復帰を第一優先に考えた結果でした。
理由その1:骨に異常があり、リハビリが長引く可能性がある。
リハビリが長引くと飛翔能力がどんどん低下していくため、ワイルドライフセンターの広いリハビリケージで長距離の飛翔訓練が必要。
理由その2:個体は約2歳と若いので精神的に多少落ち込みぎみである。
そのため大勢の仲間がいるワイルドライフセンターが環境としてはより良い。
このような理由から、この度2月25日に無事釧路へ移送されました。
しかし、骨折の具合があまりよくないので今後飛べるようになるかは不明です。
なお、こちらがしょんぼりと落ち込んでいる様子の写真です。
人が近づくと、みるみるうちに姿勢を低くして、こんな姿になってしまいます。
オオワシは本来、状態が悪くても人が近くにいるとシャキッとしていて人が立ち去るとクタっとなるのですが、この個体はまったくの逆です。
予測ですが、人に対してトラウマのようなもので、メンタル的に弱っているのかと思われます。
しかし、これは悪いことばかりではありません。
なぜなら、野生復帰の可能性のある個体は絶対に人に慣れてはいけないからです!!
人に慣れてしまうと野生に戻しても、また人間の生活圏内に必要以上に接近してしまい人由来の事故(交通事故、建物との衝突など)にあう可能性が高くなってしまいます。
ですので、保護された野生動物にはなるべく人間に対して嫌な記憶を残してもらい二度と人間には近寄りたくないと思ってもらって野生に返すことが重要になってきます。
野生動物にとっては、我々レンジャーであろうとも、優しい気持ちで助けてあげようとするみなさんでも関係なく、全員敵!!! なのです。
保護された個体は、きっとこう思っているでしょう。
「いったいこいつらは、私に何をする気なのだろう。きっと殺されて食べられてしまうのだろう。ならばいっそ楽に死なせてくれ。」※私の勝手な想像によるコメントです。
保護されること、治療を受けること、私たちの好意からくるすべての行動が怖くて怖くてたまらないのです。
そして、それほどの恐怖を与えているんだな。と思うと捕獲時や搬送、治療の時には必要最低限に接触を押さえ、収容中も心配ですがなるべく見て見ぬふりをしてあげたいなと思うのです。
そんなことで、話が少しずれましたがオオワシがワイルドライフセンターでしっかりとリハビリをして、春の渡りの時期に仲間達とロシアの大地へ帰って行くことを願っておわりにしたいとおもいます。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
PS:ハヤブサは今のところ、元気にごはん(ヒヨコ)を食べていますよ!
骨折していた骨には、手術でピンを入れ骨がうまくつくように安静にしながら様子を見ています。
いかがお過ごしでしょうか?
さて、今日は前回登場したオオワシについて動きがありましたので、ご報告致します。
なんと!
オオワシちゃん (多分メスです) が釧路のワイルドライフセンターへ旅立ちました。
今回の移送は個体の野生復帰を第一優先に考えた結果でした。
理由その1:骨に異常があり、リハビリが長引く可能性がある。
リハビリが長引くと飛翔能力がどんどん低下していくため、ワイルドライフセンターの広いリハビリケージで長距離の飛翔訓練が必要。
理由その2:個体は約2歳と若いので精神的に多少落ち込みぎみである。
そのため大勢の仲間がいるワイルドライフセンターが環境としてはより良い。
このような理由から、この度2月25日に無事釧路へ移送されました。
しかし、骨折の具合があまりよくないので今後飛べるようになるかは不明です。
なお、こちらがしょんぼりと落ち込んでいる様子の写真です。
人が近づくと、みるみるうちに姿勢を低くして、こんな姿になってしまいます。
オオワシは本来、状態が悪くても人が近くにいるとシャキッとしていて人が立ち去るとクタっとなるのですが、この個体はまったくの逆です。
予測ですが、人に対してトラウマのようなもので、メンタル的に弱っているのかと思われます。
しかし、これは悪いことばかりではありません。
なぜなら、野生復帰の可能性のある個体は絶対に人に慣れてはいけないからです!!
人に慣れてしまうと野生に戻しても、また人間の生活圏内に必要以上に接近してしまい人由来の事故(交通事故、建物との衝突など)にあう可能性が高くなってしまいます。
ですので、保護された野生動物にはなるべく人間に対して嫌な記憶を残してもらい二度と人間には近寄りたくないと思ってもらって野生に返すことが重要になってきます。
野生動物にとっては、我々レンジャーであろうとも、優しい気持ちで助けてあげようとするみなさんでも関係なく、全員敵!!! なのです。
保護された個体は、きっとこう思っているでしょう。
「いったいこいつらは、私に何をする気なのだろう。きっと殺されて食べられてしまうのだろう。ならばいっそ楽に死なせてくれ。」※私の勝手な想像によるコメントです。
保護されること、治療を受けること、私たちの好意からくるすべての行動が怖くて怖くてたまらないのです。
そして、それほどの恐怖を与えているんだな。と思うと捕獲時や搬送、治療の時には必要最低限に接触を押さえ、収容中も心配ですがなるべく見て見ぬふりをしてあげたいなと思うのです。
そんなことで、話が少しずれましたがオオワシがワイルドライフセンターでしっかりとリハビリをして、春の渡りの時期に仲間達とロシアの大地へ帰って行くことを願っておわりにしたいとおもいます。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
PS:ハヤブサは今のところ、元気にごはん(ヒヨコ)を食べていますよ!
骨折していた骨には、手術でピンを入れ骨がうまくつくように安静にしながら様子を見ています。