北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

悪戦苦闘中② ~セッティング編~

2012年03月13日
阿寒湖
さて、機材が揃ったところで、まず水槽台の用意です。もちろん、自分で組立品。耐荷重が300kg以上ある頑丈な造りのため、大きく重いです。ネジも太く固く、かなりの力仕事です。

次に水槽の加工。
干渉する部分を工作用ノコギリで切り落とします。



上が加工前、下が加工後の水槽です。

この水槽にバックスクリーンを取り付けるのですが、当初考えていたフィルム貼り付けタイプだと、背面にフィルターホースやケーブル類をいろいろ取り付けると、剥がれてしまう恐れがあるため、黒塗りの合板を貼り付けることにしました。
これも水槽サイズに合わせてカットし、水槽枠に貼り付けます。

続いて、底砂をきれいに洗います。60cm水槽分だとかなりの量があります。今回は各5kgの砂を用意しました。
水槽に底砂を敷き詰めたあと、ヒーター/エアストーン/レイアウト用品を設置、配線を整えて水道水を入れていきます。
底砂が舞い上がらないよう静かに注ぎ、一杯になったところでろ過フィルターを設置します。

この後フィルターとエアポンプを作動させて、数日たつと塩素が抜けた飼育水となります。本来はここで各種水質調整を行うようですが、前回の飼育実績から、何もしなくてもマンガン鉱泉育ちのツワモノ外来魚は問題なく飼育できることが分かっています。

同時にヒーターの電源を入れ水温調整、照明を設置しタイマーのプログラムセット。
水槽の蓋は、様々な機材に干渉しないよう加工が必要なため、プラスチックダンボールで作成しました。



これで、とりあえず魚を入れられる状態になりました。
このような水生生物を飼育、展示する人を「アクアリスト」と呼び、熱帯魚ファンだけでなく、専門学校などには水族館やアクアショップで働く人を養成する学科もあります。
この人達のような知識があれば、グッピー展示など基本中の基本なのでしょうが…。

まずは、昨年の試験生き残りのグッピーを入れてみます。
このグッピー、各種試験や水産試験場へのサンプル送付で、全ていなくなったと思った水槽の底に受精卵が落ちていたらしく、親魚がいなくなった数日後に孵化していた稚魚が育った個体です。
本来グッピーは、お腹の中で卵を孵化させ稚魚を生む、卵胎生のはずなのですが…。
湯の滝外来魚が、根絶できない様子が窺い知れます。
恐るべし、グッピー!



さて、新しい水槽に移ったグッピー、予想以上に元気に泳いでいます。今まで水流のほとんど無い水槽で育ったせいか、好んで流れの速い場所やエアの中に集まって遊んでいるように見えます。
新しく用意した人工餌もしっかり食べており、大丈夫そうですね。

最後に、食べ具合を見て自動給餌器の給餌量を調整し、給餌時刻をプログラムして取り付けてセッティング終了です。

この環境で暫くの間グッピーの様子を見ながら、ティラピア水槽セッティング、後日行う湯の滝冬季調査でのティラピア捕獲、展示用の説明パネルの作成など行って、やっとエコミュージアムセンター展示となります。

次回「③~ティラピア編~」は近日公開予定、乞うご期待。