アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
救命救急パート2
2012年03月30日
苫小牧
みなさんこんにちは。
ウトナイ湖では氷が溶けている面積が多くなり、それに伴って鳥たちの姿もちらほらから、いつの間にか湖の辺り一面にマガンを中心に鳥の群れ群れ群れ!!
といっても昼間は餌場に行っているので、早朝と夕方にしかこの様子は見れないのですが、現在は約5万羽のマガンがウトナイ湖をねぐらにしています。
しかし4月上旬のピーク時には9万羽を超えることでしょう。
さて、今回もまたまた傷病鳥のお話です。
出来れば新しい命の誕生なんて、暖かいお話を伝えたいのですが、それはもう少し待ってくださいね。
先週の3月21日午後に、空知振興局管内でオジロワシが飛べずに道路をウロウロしているところが発見されました。
また時を同じくして、留萌振興局管内でもオジロワシが保護されました。
なぜか傷病鳥の発見は重なることが多いのです。天候の影響か、ただの偶然なのか、統計を取って行くうちに何か見えてくるかもしれません。
今回は同時進行で事が起こりましたので、混乱しないように空知個体をS1、留萌個体をR2と呼ぶことにしましょう。
【S1】
経緯:21日、発見の通報・夕方に捕獲
↓
22日、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターへ収容。その日の内にレントゲン写真撮影・血液検査・鳥インフルエンザ検査(陰性)を実施
容体:左翼のとう骨と尺骨を複雑骨折していた
処置:ピンニング手術という骨にピンを挿入し骨折箇所を固定する術式で手術を行い、創外固定術という方法で外側からも骨を固定した。
現在は骨がつくまで、絶対安静とする。
骨折部位の診察の様子。
鳥類はとう骨の方が尺骨よりも細く人間とは正反対である。
【R2】
経緯:21日、カラスの足をくわえた状態で発見
↓
21日、一晩、羽幌海鳥センターで収容
↓
22日、翌日、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターへ収容。その日の内にレントゲン写真撮影・血液検査・鳥インフルエンザ検査(陰性)を実施
容体:自分の足では立つことが出来ず、羽を広げて体を支えることで起き上がっている状態。(かなり痛々しい姿です)まず考えられる要因は、腰周辺の骨のトラブルや何かしらの中毒症状。
処置:血液検査による鉛中毒の検査を行うも、結果は正常値。何が原因なのか不明。
しかし、25日から自力で立てるようになりケージに移すと、飛べました!!
現在は経過観察中。
羽を広げて尻もちをついたような姿勢でやっと状態を起こしている。
せめてR2 だけでも渡りに間に合わせてあげたい!!
S1については、骨折の具合からリハビリの長期化が予測されますが最善を尽くして野生復帰につなげられたらと思います。
野生動物の救護には賛否両論はありますが、私はこう考えます。
目の前に消えそうな命があったなら、考えるよりも先に体が動いてしまうもの!!
命にはそれくらいの力強さがあるのだと思います。
ウトナイ湖では氷が溶けている面積が多くなり、それに伴って鳥たちの姿もちらほらから、いつの間にか湖の辺り一面にマガンを中心に鳥の群れ群れ群れ!!
といっても昼間は餌場に行っているので、早朝と夕方にしかこの様子は見れないのですが、現在は約5万羽のマガンがウトナイ湖をねぐらにしています。
しかし4月上旬のピーク時には9万羽を超えることでしょう。
さて、今回もまたまた傷病鳥のお話です。
出来れば新しい命の誕生なんて、暖かいお話を伝えたいのですが、それはもう少し待ってくださいね。
先週の3月21日午後に、空知振興局管内でオジロワシが飛べずに道路をウロウロしているところが発見されました。
また時を同じくして、留萌振興局管内でもオジロワシが保護されました。
なぜか傷病鳥の発見は重なることが多いのです。天候の影響か、ただの偶然なのか、統計を取って行くうちに何か見えてくるかもしれません。
今回は同時進行で事が起こりましたので、混乱しないように空知個体をS1、留萌個体をR2と呼ぶことにしましょう。
【S1】
経緯:21日、発見の通報・夕方に捕獲
↓
22日、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターへ収容。その日の内にレントゲン写真撮影・血液検査・鳥インフルエンザ検査(陰性)を実施
容体:左翼のとう骨と尺骨を複雑骨折していた
処置:ピンニング手術という骨にピンを挿入し骨折箇所を固定する術式で手術を行い、創外固定術という方法で外側からも骨を固定した。
現在は骨がつくまで、絶対安静とする。
骨折部位の診察の様子。
鳥類はとう骨の方が尺骨よりも細く人間とは正反対である。
【R2】
経緯:21日、カラスの足をくわえた状態で発見
↓
21日、一晩、羽幌海鳥センターで収容
↓
22日、翌日、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターへ収容。その日の内にレントゲン写真撮影・血液検査・鳥インフルエンザ検査(陰性)を実施
容体:自分の足では立つことが出来ず、羽を広げて体を支えることで起き上がっている状態。(かなり痛々しい姿です)まず考えられる要因は、腰周辺の骨のトラブルや何かしらの中毒症状。
処置:血液検査による鉛中毒の検査を行うも、結果は正常値。何が原因なのか不明。
しかし、25日から自力で立てるようになりケージに移すと、飛べました!!
現在は経過観察中。
羽を広げて尻もちをついたような姿勢でやっと状態を起こしている。
せめてR2 だけでも渡りに間に合わせてあげたい!!
S1については、骨折の具合からリハビリの長期化が予測されますが最善を尽くして野生復帰につなげられたらと思います。
野生動物の救護には賛否両論はありますが、私はこう考えます。
目の前に消えそうな命があったなら、考えるよりも先に体が動いてしまうもの!!
命にはそれくらいの力強さがあるのだと思います。