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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

春の花満開!桃岩歩道

2012年05月23日
稚内
礼文島南部桃岩展望台一帯では春の花の代表格レブンコザクラ(サクラソウ科)が咲き始めました。この季節、全体的にまだ枯れ色が目立つ中で、鮮烈なピンク色のこの花が咲くと一気にお花畑が華やかになり、本格的な花シーズンの到来を感じさせます。加えて、白い花を咲かせるオオバナノエンレイソウ(ユリ科)、黄色い花のキジムシロ(バラ科)が現在見ごろを迎え、初夏の代表的な花エゾノハクサンイチゲ(キンポウゲ科)も徐々に咲き始めました。そして、現在満開を迎えているのがエゾエンゴサク(ケシ科)。今年は特に数が多いようで青、紫、ピンク、時に白が入り混じって咲きお花畑に彩りを添えています。



左上:レブンコザクラ 右上:エゾノハクサンイチゲ
左下:オオバナノエンレイソウ 右下:キジムシロ
(5/20撮影)

 桃岩歩道沿いには上に挙げた花以外にもアマナの仲間(キバナノアマナ、ホソバノアマナ、エゾヒメアマナ)(ユリ科)、アブラナ科の花(エゾイヌナズナ、タカネグンバイ)、コキンバイ(バラ科)などたくさんの花が咲いています。これらの小さくて目立たない花を探しながら歩くのも楽しいものです。



左上:ホソバノアマナ 右上:エゾヒメアマナ
左下:タカネグンバイ 右下:コキンバイ
(5/20撮影)

 厳しい冬の影響で例年に比べ春の訪れがやや遅れた礼文島ですが、5月も終盤に差し掛かり暖かい日が多くなってきたことで、徐々に例年通りの開花状況に戻りつつあるようです。しかもエゾエンゴサクをはじめ、例年よりも個体数が多いように感じる種もあるくらいです。桃岩歩道に咲く花々も2か月前まで雪の下にいたのが信じられないほど元気に咲いています。今年の冬の寒さと積雪にも負けない高山植物はやはりすごい!可憐な外見からは想像もつかない内に秘められたたくましさにはただただ驚くばかりです。



エゾエンゴサクの群落と利尻山(5/23桃岩展望台から)