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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

花より団子、足には花粉団子

2012年05月23日
羅臼
道内各地からその情報は届くのに、羅臼ではなかなかその気配が感じられずにいました。
しかし…!
羅臼にもようやく桜前線が到達!
やっぱり桜を見ると、春を感じますねー。
愛でましょう、桜。


エゾオオマルハナバチ
 「いやいや!それどころじゃないわよ、私たち。
  花粉をたくさん集めないと、卵を育てられないの。

  落ち葉の下や木の根元で、長ーい冬の寒さにただひたすら耐えて、
  ようやく外に出られるようになったわ。
  でもここからが大変。
  まずは、朽ち木の切り株やネズミの古巣、物置小屋の隙間とか、
  巣が作れそうな場所を探すの。
  それから、卵を産むための部屋を作る材料を集めたり、
  卵を産んでからだって、卵をあたためたり、幼虫のごはんを集めたり、
  お世話をしなきゃいけないし。
  これ、ぜーんぶ女王のあたし一人でやるのよ。
  忙しいんだから!」


 「日本の桜はキレイね~。蜜もけっこういけるし。」


おっと、あなたはセイヨウオオマルハナバチの女王では?
その白いおしりはまぎれもなくセイヨウオオマルハナバチ。


本来の生息地ヨーロッパから、私たち人間の手で持ち込まれ、
日本に定着してしまったセイヨウオオマルハナバチ。

外来生物である彼らは、高い繁殖力と力の強さで、もともといた日本のマルハナバチ類の生息を脅かすだけでなく、ハチが送粉する花との共生関係を
「盗蜜」という形で崩してしまい、植物にまで悪影響を及ぼしているのです。

春は、これから巣作りする女王バチが飛んでいる時期。
たくさんの働きバチたちが生まれる前の今が、効果的な捕獲のチャンスです。


桜を見る目が、いつのまにか白いおしりを追っかけている…。
花より団子、団子よりセイヨウ、な春なのでした。

※白いおしりを捕まえるときは、花を傷つけないようにご注意を!