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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

捨てるのは「捨ててもいいや」の気持ちだけ

2012年06月08日
羅臼
青空が気持ちいい日曜日。
開館を待つルサフィールドハウス駐車場は、いつもと違う朝を迎えていました。


軽トラを筆頭に大きなトラックなど、何台もぞくぞくと詰めかけてきます。
そこから次々とガタイのいい男性ばかり降りてきます。
総勢約50名が集結。なにが始まるのでしょう…?

屈強な男性陣の多くは、漁師さん。
手にはビニール袋。

今日は、海岸清掃を行う日だったのです。



日々、海の上で魚などを獲っている漁師さん。
羅臼自慢のサケ、ウニ、昆布、ホッケ、スケトウダラやマダラ、カレイ類、貝類などなど…根室海峡がこんなに豊かなのは、山や川などの生態系と複雑に関係しているから。
そんな自然環境から恩恵をうけている私たちこそ、地元の自然を守っていかなければ、との思いから、羅臼漁協青年部さんが立ち上がり多くの漁師さんを始め、漁協、羅臼町役場、知床財団、そして私たち環境省が協力しこの活動は3年目を迎えます。

海岸にはさまざまなゴミが打ちあがっていました。
空き缶やペットボトルなどの小さいゴミから、意図的に捨てたのではと思われる粗大ごみまで。また、中には日本語表記ではないゴミもあり、ゴミ問題の大きさを感じずにいられませんでした。
その数もとても多く、驚くことに1時間もしないうちにトラックがいっぱいになってしまうほどでした。



もしかしたら何気なくポイと捨ててしまうのかもしれません。
中には、見えない所ならバレないだろうと捨ててしまうのかもしれません。

でも、こんな活動をしている人たちがいるということを知り、
思いが通じれば、きっとゴミは減っていくと思います。
そして、ゴミひとつないキレイな街だったら、“何気ないポイ”なんてできないでしょう。

ゴミを捨てるのも、拾うのも人間。
ゴミを捨てない意識も、自然への姿勢も、安心して住める街も、
これからを担う子どもたちに引き継いでいけるのは私たちしかいません。

そして、自然環境は私たち人間だけのものではなく、私たちはその一部であることを忘れてはいけないと思います。