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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

雌阿寒岳登山巡視① ~風景編~

2012年06月08日
阿寒湖
6月3日雌阿寒岳の安全祈願祭が執り行われ、合わせて足寄町主催の登山会が行われました。
この登山会に同行して山岳巡視を行いました。

まずは、雌阿寒温泉登山口で安全祈願祭です。



昨年は2件の遭難事故がありました。
今年は何も無いことを願って、登山開始です。
この日は天候に恵まれたこともあり、小学生の子供も参加して約50名の人数となりました。

登りは雌阿寒温泉コースです。4合目まではアカエゾマツの森林帯、そこからハイマツ帯となり、最後は火口外輪山の火山れきを登って、山頂到着です。
そこには絶景が広がっていました!!


阿寒湖方面。
画像では分かりにくいかもしれませんが、火口の向こうに阿寒湖、隣に雄阿寒岳、雄阿寒岳左手奥に斜里岳、その左奥に知床連山が見えています。


阿寒富士と青沼。
釧路方面は雲がかかっていました。

あと、遠く広すぎるため画像はありませんが、オンネトー方面はまだ雪をかぶった大雪山~十勝連峰まで見渡せていました。

景色を堪能した後、風を避けお花畑のあるオンネトーコース8合目へ下りて昼食、そのままオンネトーコースを下り、ほぼ予定通り下山となりました。

雪解け後、今回の登山前に登山道整備はされており、危険個所の規制ロープ張り直しや、ルートを示すペイントの塗り直しはされていました。
雌阿寒温泉コース、オンネトーコースとも、登り2時間半~3時間程度、今回小学生の子供たちも山頂まで自力で登れたように、難しい山ではありませんが、以下の点に気を付けてください。

・4合目あたりから上は日差しにさらされます。水場はありませんので、水分は十分用意して下さい。
・山頂は風が強く、一気にガスに覆われることもあります。快晴でも防寒着や雨具、地図は必ず用意して下さい。
・雌阿寒岳は今も噴煙を上げている火山です。火口付近では、強風・視界不良による滑落や、噴煙の向きに注意して下さい。
・阿寒富士は粒の小さな火山れき・火山灰の山です。足が埋まり、「2歩進んで1歩下がり」ながらの登りで疲れます。

昨年の遭難事故も、山頂の天候不良を原因とした道迷いや疲労により発生しました。
皆さんも、事前の準備・体調を整えて、楽しい登山にして下さい。

②~生きもの編~に続きます。