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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

知床半島先端部の植物事情

2012年06月22日
羅臼
雪が溶けてからの知床半島の季節の移ろいは、とても早く感じます。
5月の上旬にようやくミズバショウやスミレなどが咲きはじめ春がきたかと思うと、6月の今ではすっかり初夏の突き刺すような日差しが照りつけています。季節が進んでいくと様々な植物にも出会えるようになります。

知床半島先端部では、ミヤマオダマキが観察できました。


青く鮮やかな花を咲かせるミヤマオダマキは、普通は高山などで観察できる花なのですが
知床半島の先端部では、海岸沿いで観察する事ができます。


他にも、タカネグンバイやイワベンケイなどの色鮮やかな亜高山帯の植物も観察する事ができました。
 
・・・がしかし先端部には、アメリカオニアザミという外来の植物が繁茂しているのです!!このアメリカオニアザミが増えると貴重な植物たちを駆逐してしまうかもしれません。 これ以上分布域を広げないために、羅臼自然保護官事務所ではアメリカオニアザミの駆除を行っています!


 アメリカオニアザミ
アメリカオニアザミは、元々ヨーロッパ原産の植物です。別名セイヨウオニアザミとも呼ばれます。知床国立公園にはこのアザミが多く侵入してきており、エゾシカもこのトゲトゲのアザミは食べません。それに加えとても繁殖力が強く、早いスピードで分布を拡大してしまうくせ者です。上の写真はまだ小さい個体ですが大きい物だと1.5mまで成長します。
エゾシカが食べてくれると一番手っ取り早いのですが、そう簡単にはいきません。
一つ一つ、人の手で駆除していく方法しかないのです。

知床の美しい自然を守っていくには、自然の変化に対応し、解決していくための地道な活動が必要なのです。