アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
人工飼育のシマフクロウ森へかえる 第1章
2012年08月28日
苫小牧
こんにちは
さてさて、今日はシマフクロウのお話をしようと思います。
今年の6月22日に、「人工飼育していたシマフクロウが野生復帰をして、繁殖に成功した!!」と新聞各紙やテレビでも放映されましたね。
そこで今回は、新聞やテレビにはのっていないような、裏話を中心に書きたいと思います。
そう。あれは昨年の春のことでした。
上川管内の森で、放鳥したオスのシマフクロウが行方不明になっていたのです。
と、その前に
元々この森には野生のシマフクロウのメス(シマフクロウとしてはかなりのおばぁちゃん24歳)が、たった1羽生息していたのですが、近くに他のシマフクロウはおらず、最も近い生息地からシマフクロウのオスが飛んでくるには遠くて、繁殖することは困難な状況でした。
そもそもシマフクロウは、日本には北海道にのみ生息し、しかも140羽しかおらず、環境省のレッドリストでは絶滅危惧ⅠA類ですので、このメスも大変貴重な1羽なのです。
そこで、このメスに繁殖をしてシマフクロウの生息地の拡大をして欲しいと考え、環境省で保護しているオスを連れてきては、メスとのお見合いを試みましたが、それはとてつもなく難しいことで5羽目となる今回でようやく成功に至ったのでした。
ここからが、人工飼育のシマフクロウ野生復帰への第1章の物語になります。
まず第1に行ったことは、メスとお見合いをするために、馴化といってその周辺の環境に慣れるよう、オスを野外のケージの中で飼育しました。
ケージの中のシマフクロウのオス(3歳)
馴化を始めてすぐにメスが、ケージの近くに飛んできてオスに興味を示すようになりました。そしてお互いの相性も良いだろうと判断されたため、オスをケージから外に出す(放鳥)ことになりました。
が、しかし・・・
オスの尾羽には小さな発信器が付けてあったのですが、居所が分からなくなってしまったのです。
電波を受信するアンテナや、追跡に使用した機材
そこで、オスがいそうな森の近くで、専門家や職員が連日電波を追い続けました。
そのかいあってオスは発見されたのですが、健康が心配されたため、再捕獲をすることになりました。
捕獲されたオスは痩せていて、回復にもう少し時間を必要としました。
そのため再度ケージの中で、馴化を行うことになったのです。
シマフクロウは、魚を主食としているため豊かな川が残っている場所でしか生きることが出来ないのです。
私たちの豊かな生活を支えている裏側で、様々な生き物に影響を与えていることを忘れてはいけません。
ここから、オスの野生復帰の物語、第2章が始まるのですが、それはまた次回ということで。
楽しみにしていて下さいね。
さてさて、今日はシマフクロウのお話をしようと思います。
今年の6月22日に、「人工飼育していたシマフクロウが野生復帰をして、繁殖に成功した!!」と新聞各紙やテレビでも放映されましたね。
そこで今回は、新聞やテレビにはのっていないような、裏話を中心に書きたいと思います。
そう。あれは昨年の春のことでした。
上川管内の森で、放鳥したオスのシマフクロウが行方不明になっていたのです。
と、その前に
元々この森には野生のシマフクロウのメス(シマフクロウとしてはかなりのおばぁちゃん24歳)が、たった1羽生息していたのですが、近くに他のシマフクロウはおらず、最も近い生息地からシマフクロウのオスが飛んでくるには遠くて、繁殖することは困難な状況でした。
そもそもシマフクロウは、日本には北海道にのみ生息し、しかも140羽しかおらず、環境省のレッドリストでは絶滅危惧ⅠA類ですので、このメスも大変貴重な1羽なのです。
そこで、このメスに繁殖をしてシマフクロウの生息地の拡大をして欲しいと考え、環境省で保護しているオスを連れてきては、メスとのお見合いを試みましたが、それはとてつもなく難しいことで5羽目となる今回でようやく成功に至ったのでした。
ここからが、人工飼育のシマフクロウ野生復帰への第1章の物語になります。
まず第1に行ったことは、メスとお見合いをするために、馴化といってその周辺の環境に慣れるよう、オスを野外のケージの中で飼育しました。
ケージの中のシマフクロウのオス(3歳)
馴化を始めてすぐにメスが、ケージの近くに飛んできてオスに興味を示すようになりました。そしてお互いの相性も良いだろうと判断されたため、オスをケージから外に出す(放鳥)ことになりました。
が、しかし・・・
オスの尾羽には小さな発信器が付けてあったのですが、居所が分からなくなってしまったのです。
電波を受信するアンテナや、追跡に使用した機材
そこで、オスがいそうな森の近くで、専門家や職員が連日電波を追い続けました。
そのかいあってオスは発見されたのですが、健康が心配されたため、再捕獲をすることになりました。
捕獲されたオスは痩せていて、回復にもう少し時間を必要としました。
そのため再度ケージの中で、馴化を行うことになったのです。
シマフクロウは、魚を主食としているため豊かな川が残っている場所でしか生きることが出来ないのです。
私たちの豊かな生活を支えている裏側で、様々な生き物に影響を与えていることを忘れてはいけません。
ここから、オスの野生復帰の物語、第2章が始まるのですが、それはまた次回ということで。
楽しみにしていて下さいね。