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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

きれいな山に似合わないもの

2012年09月05日
羅臼
それは、ゴミ。

先日、羅臼町商工会青年部さんと合同で、清掃美化登山を行いました。

商工会青年部のみなさんは、自分たちの住む町にある百名山羅臼岳を自分たちの手できれいにしようと、この清掃美化登山を3年前から行っているそうです。
それまでは、斜里町側の岩尾別登山口から登るコースで行っていたという清掃登山。せっかくならやはり羅臼町側の羅臼温泉登山口から登るコースでやりましょう、また、せっかくなら関係機関と協同でと、日頃から巡視などを行っている私たち羅臼自然保護官事務所にお声かけいただいて、実現する運びとなりました。

日頃、羅臼岳登山道の補修や維持管理、巡視を行っている私たちにとっては、地域の方々の自主的な活動があるのはもちろん、そんな活動にお声かけいただき協同で行うことになったこと、今まで羅臼岳すら登ったことないという会員さんも参加していただいたこと、そうしてイベントが行えるのはとても嬉しいことでした。



羅臼岳は標高こそ1660mですが、羅臼温泉登山口の標高は約100mなので、標高差約1500mを上がらなければならない他、岩尾別コースとくらべて勾配が急、行程が険しいなど、上級者向けのコースです。
そのため比較的登山者が少ないのですが、知床本来の静寂で奥深い雰囲気を堪能できる魅力あるコースでもあります。

日頃、巡視で登っている私たちもゴミがあれば拾いますし、もともと登山者の少ない登山道なのであまり落ちているゴミはないのでは…と想像していました。



ところが、
上の写真は、青年部のみなさんと三宅自然保護官、私たちアクティブレンジャーで拾ったゴミです。
…あるんですね。

ここを訪れる人々はみな、知床の美しい自然景観を堪能し、登山を楽しんだはず。そしてそれは、この自然環境が残っているからこそ、なはずです。
ゴミは自然景観だけでなく、野生動物へも悪影響を与えてしまいます。
あとを濁さない、これは堪能させてもらった自然に対しての最低限の配慮ではないでしょうか。

美味しく食べたお弁当やおやつ、どうしてもしたくなってしまったトイレ。
風に飛ばされないようすぐザックにしまう、携帯トイレを持参するなど、私たち一人ひとりがほんの少しだけ気を付けることが、この美しい知床の自然を保持する一歩となるのです。


きれいな山なら、キツネもうっとりお昼寝♪