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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

渡り鳥とサロベツ原野

2012年10月16日
稚内
サロベツでは、急に冷え込みが厳しくなってきました。最近は、原野を見ると植物の多くが実を蓄えている様子、空を見るとオオヒシクイやマガンなどの渡り鳥が飛んでいる様子をよく見かけます。


オオヒシクイやマガンをはじめとした渡り鳥は、毎年、越冬のための渡りの中継地としてサハリン、カムチャッカ半島からサロベツ原野に飛来します。そして、その中継地としての価値が認められ、サロベツ原野は、水鳥の重要な飛来地としてラムサール条約湿地に登録されています。


稚内自然保護官事務所では、地域の方に渡り鳥とサロベツ原野の関わりを知っていただくために、毎年、日本野鳥の会道北支部や利尻礼文サロベツ国立公園パークボランティアの会と共催で秋の渡り鳥観察会を行っています。
観察会では、サロベツ原野に隣接する牧草地帯で渡り鳥が牧草を食べている様子や、夕方に休息のためにペンケ沼に向けて飛び立つ様子を車の中や農道から観察します。
今年も参加者の方には、スタッフによる説明を聞きながら望遠鏡で渡り鳥を観察してもらい、飛来状況や生態などについて知ってもらうことができました。また、実際のオオヒシクイと同じ重さのぬいぐるみを抱いてもらい、重さも体感してもらいました。


オオヒシクイやマガンは、10月下旬までサロベツ原野で休息し、その後、本州の越冬地へと旅立ちます。皆さんの近隣でオオヒシクイやマガンの飛来が見られましたら、北の果てからはるばる渡ってきた彼らを是非見守っていただければと思います。