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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

雪の使者

2012年11月02日
洞爺湖
洞爺湖湖畔の四十三山の紅葉は終演を迎えようとしています。
夏にたくさん飛び回っていたミンミンゼミたちの姿はもうありません。
あるのは木にくっついたままの抜け殻だけです。
木の下の地面に目を向けると様々な形のキノコがはえています。


<ミンミンゼミの抜け殻>


<四十三山のキノコたち>

歩道を歩くと木の側面を歩くふわふわした白いワタを持つユキムシ発見しました。
北海道に10種類ほどいる小さなアブラムシの仲間をユキムシと呼び、
中でも一般的なのは大きな種類のトドノネオオワタムシ(※)です。


<白いワタを持つユキムシ>

ユキムシが飛び交うと雪が降ると言われ、雪の使者として知られていますが、
大量に飛び交うと歩くだけで体にくっついたり目や口や鼻に入ることもある少々迷惑な面もあります。ただ、手で触ることはもちろん、白いワタが取れたら死んでしまう繊細な生き物です。
洞爺湖に雪が降るのももうすぐかもしれません。

※トドノネオオワタムシ(学名:Prociphilus oriens)
カメムシ目・腹吻亜目・アブラムシ科に属する、体長は最大で4mm程の元々は羽の無い飛ばない昆虫。
季節に合わせて樹液を吸う木を変えるためトドマツとヤチダモを移動します。
雪が降る前に羽をもった個体が生まれ卵を産もうとヤチダモの木を求めて飛びます。
白い部分はロウの様な物質で水分から身を守るためや、空を飛ぶ時に漂いやすくするためと言われています。