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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

春の予感

2013年03月11日
洞爺湖
3月になり久しぶりに気温がプラスになった洞爺湖では、
春を感じたためか、気の早い一匹のトンボが姿を現しました。


<姿を現した一匹のトンボ>

陽気に誘われて日光を浴びていたのでしょうか?
ちなみにこのトンボはオツネントンボ(※)です。
一般的にトンボの多くが夏から秋に産卵し孵化しヤゴとして越冬しますが、
オツネントンボは樹皮の裂け目や木のくぼみ、
建物のドアや窓や外壁の隙間などでも体を入れて冬をしのぎます。
冬を越すことから越年するトンボ・・・オツネントンボとなったそうです。



<手に乗せて>

捕まえて手の上に乗せてよく見ると脚には太い毛がたくさん生えています。
トンボは肉食でカ、ハエなどの昆虫を空中で捕まえて6本の脚で獲物を抱えて食べます。
そのため、この脚の太い毛は捕えた獲物を逃さない役割を果たすと考えられています。

気温が上がるとともに厳しい冬を乗り越えた生き物たちの活動がより活発になることでしょう。

※オツネントンボ(学名:Sympecma paedisca)
アオイトトンボ科に属する体長約3-4cmのイトトンボの一種。
トンボの多くがヤゴで越冬するが、本種は成虫のまま越冬することが知られています。
北海道から九州まで広く生息していて、挺水植物が繁茂する池・沼・湿原などに生息しています。