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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

礼文島初夏の花々

2013年06月10日
稚内
 礼文島では現在初夏の花々が見ごろを迎えています。例年5月の下旬に見ごろを迎えるレブンコザクラ(サクラソウ科)やエゾノハクサンイチゲ(キンポウゲ科)は、5月に寒い日が続いたことで開花が遅れましたが、6月に入り暖かい日が多くなってきたことで一気に咲きだしました。昨年はあまり元気がなかったように思えたエゾノハクサンイチゲですが、今年は開花が遅れたものの、現在それを取り返すかのように元気いっぱいに咲き、桃岩歩道沿いの草原を白く染めています。

上段:エゾノハクサンイチゲ(6/1 桃岩歩道)
下段左:レブンコザクラ(6/1 桃岩歩道)
下段右:サクラソウモドキ(サクラソウ科 6/4 桃岩歩道)

 現在桃岩歩道ではオオバナノエンレイソウやホソバノアマナをはじめとするユリ科の花が多く見られます。さらにユリ科の花ではほかにもクロユリやバイケイソウがまもなく見ごろを迎えそうです。特に今年は発芽してから開花するまで長い年月を要する(十数年とも数十年とも言われます)バイケイソウの当たり年になりそうです。また、赤紫色のハクサンチドリ(ラン科)や紫と白のミヤマオダマキ(キンポウゲ科)も咲き始め、春先の枯れ色からようやく初夏らしいカラフルな色彩に変わってきました。


ユリ科の花々
上段左:オオバナノエンレイソウ(6/4 桃岩歩道)
上段右:ホソバノアマナ(6/1 桃岩歩道)
下段左:ツバメオモト(6/1 桃岩旧道)
下段右:エゾヒメアマナ(6/1 桃岩歩道)

 そして忘れてはいけないのが、礼文島を代表する花レブンアツモリソウ(ラン科)です。今年も昨年同様開花がやや遅れましたが、現在北部鉄府(てっぷ)地区のアツモリソウ群生地で見ごろを迎えています。まだつぼみの状態の個体も見られることから6月の中旬ぐらいまでは元気に咲いている姿を楽しめそうです。


双子のレブンアツモリソウ(6/4 アツモリソウ群生地)

 以前の記事で、6月の礼文島は霧が発生することが多く、それが高山植物にとって命の源になっていることをお伝えしました。そしてその記事の中で昨年は霧の発生する日が少なかったことで高山植物たちにやや元気がないように感じると書きましたが、今年も6月に入ってから好天が続き、霧が発生する確率は低くなっています。そのせいか上にあげた花々は例年より若干速く花期の終わりを迎えつつあるように感じます。天気予報によればこの先もしばらく好天が続くということですので、昨年のように今後開花ペースが一気にアップしていくかもしれません。昨年は気がつけばあっという間に花の季節が過ぎ去っていった感じだったので、今年はもっとゆっくり花の季節を楽しみたいと思っているのですが…