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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

夏から秋へ

2013年09月24日
洞爺湖
暦の上ではもう秋ですが、洞爺湖にある四十三山(※1)では9月に入っても天気の良い暖かい昼間には、ミンミンゼミの「ミーンミンミンミンミミー」という鳴き声やエゾゼミの「ジィーーーーーーーーーー」という鳴き声が聞こえてきます。
オスのセミには腹の中に膜があり、それの膜を強い筋肉で引っ張り、腹の中で共鳴させて音が出る仕組みになっています。
鳴き声には「本鳴き」「メスへのプロポーズ」「敵に襲われたとき」などの種類があると言われていて、メスのセミは腹にある膜でオスの鳴き声を感じとるそうです。


<木にとまるエゾゼミ> 

 <鳴くミンミンゼミ>

セミたちの大合唱の中、8月末から夏が終わりに近づくと草むらから「ルルルルル~」とかわいらしいカンタン(※2)の鳴き声が聞こえてきます。
カンタンには二枚のハネがあり、右ハネの裏側がやすり状になっているため、こすり合わせることで音を出します。メスは前脚にある耳のような器官で音を感じるそうです。


<ススキの穂にとまるカンタンのメス>

夏から秋を同時に感じる事が出来る季節です。
今日もカンタンやセミたちは子孫を残そうと一生懸命に鳴いています。

※1四十三山:1910年(明治43年)の火山活動によって形成された地形をたどる散策路です。洞爺湖温泉の熱源はこのとき貫入したマグマの熱を源にしています。現在でも水蒸気が噴出し続ける噴気孔や噴火から回復しつつある森林が観察できます。
※2カンタン(Oecanthus longicauda)バッタ目 マツムシ科 カンタン亜科。
北海道~本州の草原、林縁に生息します。体長11-20mmと小さく、体は細長く、長い触角を持ち羽根を立てて鳴きます。メスはヨモギの茎に産卵管を挿入して産卵します。