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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

オロフレ山パトロールと花便り

2014年07月10日
洞爺湖
みなさんこんにちは!洞爺湖アクティブレンジャーの長友です。
7月に入り、気温もぐっと上がりアウトドアシーズンがやって来ました。6月29日(日)にパークボランティア活動でオロフレ山パトロールを実施した際の活動と確認できた花の情報を載せたいと思います。
 
このオロフレ山は多くの登山客が訪れますが、盗掘や写真を撮るために登山道から外れて入っていく人がおり、シラネアオイの群落地にはいくつもの脇道ができてしまっています。そこで毎年、「洞爺湖周辺の自然環境を守る会」として関係機関の協力のもとロープ張りを行い、それらを防止する努力をしています。また、パークボランティアの方々と一緒にパトロールを行い、一般登山客へのリーフレット配布やマナーの周知により普及啓発を行っております。
パトロール当日はあいにくの雨模様でしたが、なんとか山頂に辿り着きました。山頂までの道のりには様々な花が咲いており、見るのに忙しいくらいでした。盗掘跡もなく元気な花を見ることができ、とても充実し楽しいパトロールとなりました。




左上:ハイオトギリ 右上:ハクサンチドリ
左下:エゾカンゾウ 右下:ヨツバシオガマ

先日、花や鳥の名前を覚える方法としてその由来等を覚えると頭に入りやすいと聞いたので上記に乗せている花の名前の由来を書きたいと思います。

ハイオトギリ:オトギリソウの高山型で漢字では弟切草(オトギリソウ)と書きます。名前の由来はこの花を原料とした薬の秘伝の作り方を弟が他人に漏らしてしまい、薬師である兄が弟を切り捨ててしまうという平安時代の伝説からきているといわれています。

ハクサンチドリ:漢字で白山千鳥と書きます。花の形が千鳥に似ていて白山(岐阜、石川)で最初に見つかったことからこの名前がつけられたといわれています。

エゾカンゾウ:漢字で蝦夷甘草と書きます。花をかじると甘みがあるといわれているのでこの名前がついたと思われます。この花は朝に開花し、夕方には萎んで落ちてしまいます。一日一花の興味深い花で、また次の蕾が朝に開花するので継続して咲いていると勘違いしてしまします。

ヨツバシオガマ:名前の由来を調べたのですが、その由来を覚える方が難しいと感じたのでこれだけはがんばって覚えてください!ちなみに漢字では四葉塩竃と書きます。塩竃とは海水を煮て塩を作る釜のことです。




山頂で皆さんと写真撮影。いい顔していました!




これ以上中に入らないようにロープを張っています。

オロフレ山は標高1230.8メートルながら様々な高山植物を観察することができ、これからの季節もまだまだ多種類の植物を楽しむことができます。登山道も比較的歩きやすく、4時間あれば往復できる距離だと思います。ただ、山の上はあらゆる危険があるのでしっかりとした計画、準備をしてルールを守って登山を楽しみましょう。