アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
知床岬巡視、出発の前に!
2014年07月10日
羅臼
みなさんこんにちは。
羅臼自然保護官事務所では、羅臼町相泊から知床半島の先端部「知床岬」までの区間を徒歩で巡視してきたので、その様子をお知らせします。
□知床岬巡視とは…
巡視の主な目的は「生態系の保全の確認」と「国立公園内における利用者のマナーが守られているか」確認を行いながら、海岸沿いを東へ進み、知床岬を目指します。
また、知床岬を目指す利用者の安全と情報提供の為に、高巻きや"へつり"などの難所の状況を確認することも巡視の目的です。
ヒグマとの遭遇の可能性が高く、高度な登攀技術が要される為、滅多に行く事のできない場所なんです。
知床岬からの帰りも徒歩で、全行程で2泊3日の巡視となります。
今回の日記では、まず知床岬巡視に向けての準備をご紹介いたします。
まずは、巡視の日程調整からはじめます。
知床岬への途中、「剣岩」と「トッカリ瀬」の地点では満潮時になると岩礁が水没して通過ができなくなります。泳いで渡る事も不可能ではありませんが、波にのまれる危険性があり、また夏でも水温が低いため体力を奪われる恐れがあります。
事前の満潮・干潮時刻のチェックを必ず行い、行きと帰りで干潮時に両地点を通過できるように計画を立てます。
日程が決まったら、荷物の準備を始めます。
一般的な登山装備であるテント、シュラフ、シュラフマットなどに加え、難所を越えるための装備も必要となります。50mザイル、ヘルメット、ハーネス、エイト環などがその装備です。
そして、体力を激しく消耗する巡視でなにより大切な2泊3日分の食料品と行動食と飲料水も必要となります。
知床半島先端部はヒグマの生息地であるため、においのする食べ物はフードコンテナに入れて持ち歩き、保管しなければなりません。一度人の食べ物の味を覚えたヒグマは、人や食べ物に執着するようになると言われています。
自分の安全と、次に知床半島先端部へ訪れる人の安全の為に、多少重くてもフードコンテナを利用しなくてはなりません。クマスプレーも万が一のために携帯しましょう。
なお、岬までの道のりの途中では沢などから水を汲むことができます。エキノコックスに感染する恐れがありますので、浄水器や煮沸による浄化を行える準備も大切です。
これらの道具を次々に60リットルザックへ詰め込みます。クマスプレーは直ぐに使えるようしっかり腰に装着しましょう。
これで、ザックなど装備は概ね20kgとなります。
一通り荷物が準備できたら、防水対策を行います。
岬までの道のりの途中には、必ず"へつり"をして通過しなければならない箇所があります。"へつり"に失敗したら、海へまっさかさまです。
海へまっさかさまに落ちると、怪我をしないまでも衣類やザックはびしょぬれになってしまいますね。
万が一、"へつり"に失敗した時の浸水防止のため、シュラフや着替えや電気機器はすべてビニール袋などで包みます。
最後に行動食、地図、コンパスなど、忘れ物がないかしっかりチェックします。
すべての準備が整ったら…、
知床半島先端部地区利用の心得「シレココ」
http://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/sirecoco/index.html
を事前に確認し、利用の際に必要な心構えや、先端部の実際の状況を把握し、理解しておきましょう。
そして、出発前にルサフィールドハウスhttp://shiretoko-whc.jp/rfh/
に必ず立ち寄り、ルールやマナーを覚え、リアルタイム情報を得ます。
知床岬を目指す方以外にも、先端部の利用や知床沼を目指す方は、是非ご利用前にお立ち寄りください。
準備も情報収集も終了したら、出発に備えて体調を整えておきます。
それでは、知床岬巡視の様子は高橋ARがお伝えします。
●6/25 AM4:00相泊出発
羅臼自然保護官事務所では、羅臼町相泊から知床半島の先端部「知床岬」までの区間を徒歩で巡視してきたので、その様子をお知らせします。
□知床岬巡視とは…
巡視の主な目的は「生態系の保全の確認」と「国立公園内における利用者のマナーが守られているか」確認を行いながら、海岸沿いを東へ進み、知床岬を目指します。
また、知床岬を目指す利用者の安全と情報提供の為に、高巻きや"へつり"などの難所の状況を確認することも巡視の目的です。
ヒグマとの遭遇の可能性が高く、高度な登攀技術が要される為、滅多に行く事のできない場所なんです。
知床岬からの帰りも徒歩で、全行程で2泊3日の巡視となります。
今回の日記では、まず知床岬巡視に向けての準備をご紹介いたします。
まずは、巡視の日程調整からはじめます。
知床岬への途中、「剣岩」と「トッカリ瀬」の地点では満潮時になると岩礁が水没して通過ができなくなります。泳いで渡る事も不可能ではありませんが、波にのまれる危険性があり、また夏でも水温が低いため体力を奪われる恐れがあります。
事前の満潮・干潮時刻のチェックを必ず行い、行きと帰りで干潮時に両地点を通過できるように計画を立てます。
日程が決まったら、荷物の準備を始めます。
一般的な登山装備であるテント、シュラフ、シュラフマットなどに加え、難所を越えるための装備も必要となります。50mザイル、ヘルメット、ハーネス、エイト環などがその装備です。
そして、体力を激しく消耗する巡視でなにより大切な2泊3日分の食料品と行動食と飲料水も必要となります。
知床半島先端部はヒグマの生息地であるため、においのする食べ物はフードコンテナに入れて持ち歩き、保管しなければなりません。一度人の食べ物の味を覚えたヒグマは、人や食べ物に執着するようになると言われています。
自分の安全と、次に知床半島先端部へ訪れる人の安全の為に、多少重くてもフードコンテナを利用しなくてはなりません。クマスプレーも万が一のために携帯しましょう。
なお、岬までの道のりの途中では沢などから水を汲むことができます。エキノコックスに感染する恐れがありますので、浄水器や煮沸による浄化を行える準備も大切です。
これらの道具を次々に60リットルザックへ詰め込みます。クマスプレーは直ぐに使えるようしっかり腰に装着しましょう。
これで、ザックなど装備は概ね20kgとなります。
一通り荷物が準備できたら、防水対策を行います。
岬までの道のりの途中には、必ず"へつり"をして通過しなければならない箇所があります。"へつり"に失敗したら、海へまっさかさまです。
海へまっさかさまに落ちると、怪我をしないまでも衣類やザックはびしょぬれになってしまいますね。
万が一、"へつり"に失敗した時の浸水防止のため、シュラフや着替えや電気機器はすべてビニール袋などで包みます。
最後に行動食、地図、コンパスなど、忘れ物がないかしっかりチェックします。
すべての準備が整ったら…、
知床半島先端部地区利用の心得「シレココ」
http://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/sirecoco/index.html
を事前に確認し、利用の際に必要な心構えや、先端部の実際の状況を把握し、理解しておきましょう。
そして、出発前にルサフィールドハウスhttp://shiretoko-whc.jp/rfh/
に必ず立ち寄り、ルールやマナーを覚え、リアルタイム情報を得ます。
知床岬を目指す方以外にも、先端部の利用や知床沼を目指す方は、是非ご利用前にお立ち寄りください。
準備も情報収集も終了したら、出発に備えて体調を整えておきます。
それでは、知床岬巡視の様子は高橋ARがお伝えします。
●6/25 AM4:00相泊出発