アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
知床岬、行ってきました!!
2014年07月16日
羅臼
みなさんこんにちは
アクティブレンジャー(以下AR)の高橋です。
6月25、26、27日の3日間、知床岬巡視を行って参りました。
巡視の内容は上村ARから説明いたしましたが、ここでは巡視を行って印象に残ったことを皆様にお伝えしたいと思います。
①とにかくキツい
知床岬巡視は、羅臼町の相泊から知床先端部の岬までを徒歩で往復します。相泊は道路の終点でここから先は人工の道がなく、岬までは大きな石がゴロゴロ転がっている石浜を通らなくてはいけません。石は大きさ・形がバラバラで、アップダウンを繰り返しているとじわじわと足裏にダメージが蓄積されます。
また、石浜が終わったかと思うと岩礁地帯が出現します。かろうじて岩礁にへつったり、浅瀬を通れればよいのですが、それができない場合は山側の傾斜地を高巻かなくてはなりません。こうした難所は岬までに4ヶ所あり、ロープが残されているところもあるのでそれを使ってよじ登ることが可能ですが、設置の不安定さ、時間経過を考えると安全性は確かなものではありません。そのため、クライミングロープ等を持参し、設置及び回収を自ら行う必要があります。
高巻きを通過し、喜びの上村AR。 しかしすぐに巨石地帯が…
②ヒグマが多い
巡視中何度も熊の糞が目撃されました。また2日目、3日目の巡視中には離れた距離から熊が確認され、注意しながら通過しました(その他にも、草をかきわける音やうめき声、生臭いにおいなど彼らの存在を感じさせる兆候もいくつか…)。
このようにヒグマが多く生息していますので、クマスプレー・フードコンテナの携帯、見通しの悪いところでの声だしは非常に重要だと感じました。
③貴重な植物がたくさん
ヒオウギアヤメ、ネムロシオガマ、ミヤマオダマキなど野生で見ることが難しい植物がそこかしこで見ることができました。こうした貴重な植生を後世まで残していけるよう、特定外来生物の駆除等の取組を続けたいとより一層思いました。
④大きな感動
今回の巡視では2回、大きな感動を味わうことができました。
1つ目は知床岬に到着したときです。灯台のある岬の台地は草原が広がり、今まで通ってきた石浜から場面が変化します。また灯台に登り海をながめると、羅臼側とウトロ側で海流がはっきりと分かれています。その自然がつくりだす光景がすばらしく、しばらく眺めておりました。
知床岬灯台。ようやく到着です。
もう1つ目は無事相泊に帰着できたときです。岬に到着したのもつかの間、残り1日半をかけて相泊まで石浜と高巻きを越えなくてはなりません。疲れがピークに達しているせいか足の運びもたどたどしく、石に足をとられながらも相泊が近づくにつれ見えてくる家屋や電線がうれしく最後は走って到着しました。
巡視中の3日間は天候に恵まれ、足の裏の痛みを含めて非常に貴重な経験となりました。
※なお、知床先端部地区について環境省はロープや歩道、トイレなどの施設は一切設置しておりません。また動力船を使ってのレクリエーション目的の上陸も規制されており、一般利用者は徒歩で利用するほかはありません。そのため必然的に重い荷物を背負いかつヒグマの高密度生息地に足を踏み入れることになりますので、利用を考えられる場合は前回の上村ARの日記や以下のリンク先を参考に慎重に検討した上でお願いします。
ルサフィールドハウス
http://shiretoko-whc.jp/rfh/
知床半島先端部地区利用の心得「シレココ」
http://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/sirecoco/index.html
アクティブレンジャー(以下AR)の高橋です。
6月25、26、27日の3日間、知床岬巡視を行って参りました。
巡視の内容は上村ARから説明いたしましたが、ここでは巡視を行って印象に残ったことを皆様にお伝えしたいと思います。
①とにかくキツい
知床岬巡視は、羅臼町の相泊から知床先端部の岬までを徒歩で往復します。相泊は道路の終点でここから先は人工の道がなく、岬までは大きな石がゴロゴロ転がっている石浜を通らなくてはいけません。石は大きさ・形がバラバラで、アップダウンを繰り返しているとじわじわと足裏にダメージが蓄積されます。
また、石浜が終わったかと思うと岩礁地帯が出現します。かろうじて岩礁にへつったり、浅瀬を通れればよいのですが、それができない場合は山側の傾斜地を高巻かなくてはなりません。こうした難所は岬までに4ヶ所あり、ロープが残されているところもあるのでそれを使ってよじ登ることが可能ですが、設置の不安定さ、時間経過を考えると安全性は確かなものではありません。そのため、クライミングロープ等を持参し、設置及び回収を自ら行う必要があります。
高巻きを通過し、喜びの上村AR。 しかしすぐに巨石地帯が…
②ヒグマが多い
巡視中何度も熊の糞が目撃されました。また2日目、3日目の巡視中には離れた距離から熊が確認され、注意しながら通過しました(その他にも、草をかきわける音やうめき声、生臭いにおいなど彼らの存在を感じさせる兆候もいくつか…)。
このようにヒグマが多く生息していますので、クマスプレー・フードコンテナの携帯、見通しの悪いところでの声だしは非常に重要だと感じました。
③貴重な植物がたくさん
ヒオウギアヤメ、ネムロシオガマ、ミヤマオダマキなど野生で見ることが難しい植物がそこかしこで見ることができました。こうした貴重な植生を後世まで残していけるよう、特定外来生物の駆除等の取組を続けたいとより一層思いました。
④大きな感動
今回の巡視では2回、大きな感動を味わうことができました。
1つ目は知床岬に到着したときです。灯台のある岬の台地は草原が広がり、今まで通ってきた石浜から場面が変化します。また灯台に登り海をながめると、羅臼側とウトロ側で海流がはっきりと分かれています。その自然がつくりだす光景がすばらしく、しばらく眺めておりました。
知床岬灯台。ようやく到着です。
もう1つ目は無事相泊に帰着できたときです。岬に到着したのもつかの間、残り1日半をかけて相泊まで石浜と高巻きを越えなくてはなりません。疲れがピークに達しているせいか足の運びもたどたどしく、石に足をとられながらも相泊が近づくにつれ見えてくる家屋や電線がうれしく最後は走って到着しました。
巡視中の3日間は天候に恵まれ、足の裏の痛みを含めて非常に貴重な経験となりました。
※なお、知床先端部地区について環境省はロープや歩道、トイレなどの施設は一切設置しておりません。また動力船を使ってのレクリエーション目的の上陸も規制されており、一般利用者は徒歩で利用するほかはありません。そのため必然的に重い荷物を背負いかつヒグマの高密度生息地に足を踏み入れることになりますので、利用を考えられる場合は前回の上村ARの日記や以下のリンク先を参考に慎重に検討した上でお願いします。
ルサフィールドハウス
http://shiretoko-whc.jp/rfh/
知床半島先端部地区利用の心得「シレココ」
http://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/sirecoco/index.html