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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

夏の知床連山

2014年08月01日
羅臼
現在、知床の山は花の季節を迎え、それに伴って登山をする方たちが多く見られるようになりました。そうした夏期の利用状況の調査のため、7/13~14の2日間で岩尾別登山道から硫黄山登口のルートをウトロ自然保護官事務所と合同で巡視を行いました。

登山道の危険なところや支障となっている樹木はないか、またゴミなどが投棄されていないか、設置している携帯トイレ使用ブースやフードロッカーが適正に利用されているかなどをチェック・修正しながら巡視していきます。



トイレットペーパーが発見されることも…環境の保全のためには利用者のマナーが求められます。





大沢~羅臼平、知円別分岐~硫黄山登山口のルートには雪渓が残っているところがいくつかありました。安全に通過するためにはアイゼン・ピッケルが必要なところもあります。また雪渓が崩れやすくなっている、急に崖になっている箇所もありますので十分な確認が必要です。

そうした危険を回避し、硫黄山の照り返しに焼かれつつ下山です。ようやく出口まで到着と思ったら、笹やぶがガサガサ音をたてています。緊張が走りました。「ホイッ!ホイッ!」と大きな声を出してこちらの存在を知らせると、ヒグマがヌッと顔を出しました。そばで別の音がすることからどうやら親子熊のようです。こちらがさらに声を出すと藪の中に逃げていきました。巡視時にはクマスプレーを携帯していますが、それを持っている安心感から余裕をもって対応できたかもしれません…



こちらはカムイワッカ湯の滝を過ぎたところの林道です。前述の熊を回避し、巡視も終わって車に乗り込んだ矢先の出来事でした。親子熊が悠々と道路を闊歩しています…

知床世界遺産センター羅臼ビジターセンタールサフィールドハウスではこうしたヒグマや登山道についての情報発信、またクマスプレー・フードコンテナのレンタル、携帯トイレの販売を行っております。登山道利用の際はこれらの施設も併せて、十分な準備と計画のもとでお願いします。