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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

支笏湖近郊の山、イチャンコッペ

2014年11月28日
支笏湖
こんにちは。支笏湖アクティブレンジャーの畠山です。
先週の20日(木)にイチャンコッペ山に登ってきました。

[イチャンコッペ山]
標高828.9m(登り2時間30分、下り1時間30分程)。
登山口は国道453号線のヘアピンカーブの展望台(ポロピナイ展望台)近くにあり、ひっそりとしているのですが、大きな登山届のポストが目印です。
"イチャンコッペ"という名前の由来はアイヌ語で「産卵場を持っている川」など諸説あるそう。

登りはじめから2合目あたりまで急斜面が続きますが、そこまで登り切ると、後はあまり起伏のない緩やかな道になります。785ピークに近づくと木々が少なくなり、支笏湖が全貌を見せてくれ、最高の眺めです。


〈785ピークからの眺め〉


〈785ピークから望む山々(つなぎ目のガタガタ、すみません)〉

辺りを見渡すと支笏湖を囲む、代表的な山々の姿が。
この景色の中を登って行くのは本当に気持ちが良いものでした!

***

またうっすらと雪が降ったあとで、支笏湖に住む野生動物の足跡が登山道脇にたくさん見られました。

雪に開いた穴の中へとてんてんと続く、長いしっぽと小さな足で付けたネズミの足跡。
その横を大きな後ろ足でぴょこぴょこ跳ねながら歩き去ったエゾウサギの足跡。
そんな足跡を追いかけて来たのか、様子をうかがうように立ち止まったキタキツネの足跡。

そして、冬ごもりを目前に食べ物を探しに行くのか、ねぐらに戻ったのか、登山道横の笹藪に消えたヒグマの足跡。


〈①登山道脇に残る野生動物の足跡 ②③ヒグマの足跡 ④エゾシカの足跡 ⑤ネズミの足跡〉

足跡があることで、普段簡単には姿を現さない足跡の主たちが、確かにここに存在して生きているのだと実感します。

ここは駆け足で...ここで立ち止まって...ここで引き返して...
足跡観察は野生動物たちの少し前の行動をタイムスリップして見ているようで楽しく、愛おしい気持ちがあふれてきました。

***

冬には華やかな植物は見られなくなっても、支笏湖の眺めに加え、野生動物たちの足跡が楽しませてくれた、イチャンコッペ山。

支笏湖のおすすめスポットのひとつです。