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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

World Wetlands Day ~February 2, 2015~

2015年02月27日
利尻礼文サロベツ国立公園 高澤 和大

こんにちは、稚内の高澤です。


世界湿地の日を記念したAR日記リレーもいよいよゴールを迎えます。


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世界湿地の日とは、1971年2月2日にイランのラムサールという街で締結された「ラムサール条約」を記念して、毎年2月2日を「世界湿地の日 World Wetlands Day (WWD)」とした記念日です。ラムサール条約の目的である、湿地の恩恵や価値に目を向け、その維持と賢明な利用を達成するため、世界中で啓発イベントが行われています。

そこで一昨年に引き続き、ウトナイ湖、支笏湖、洞爺湖、クッチャロ湖、サロベツ原野など、北海道の代表的な湿地を含む国立公園等を所管するアクティブレンジャーで、AR日記のリレー企画を行います。

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日本最北のラムサール条約登録湿地、クッチャロ湖。


この湖は渡り鳥にとっての地理的な要衝として、道北の地に存在します。



日本最北端の宗谷岬から南南東へ約60km。


かつてオホーツク海の一部だったこの場所は、海流が運ぶ堆積物によって外海と隔てられ、
道北で最大の面積を誇る湖となりました。


極東ロシアと日本の間で渡りを行う鳥たち、とりわけ湖沼に餌を求める水鳥たちにとって、
その存在がどれほどの助けになるかわかりません。



毎年、冬の使者として日本各地に飛来するコハクチョウ。


そのほとんどが渡りの際に、道北地方を経由するといわれています。


生まれ故郷のシベリアから3,000km。


この地で越冬する個体もいますが、越冬地までさらに数百から数千km。


クッチャロ湖はそんな長旅の途中で羽を休める、大切な中継地の一つとなっています。



旅をする生き物にとっても、そこに棲まう生き物にとっても、

ここがいつまでも安らげる場所であるように。


そんなことを願いながら、アクティブレンジャーが何をしていけるか、考えていきたいと思います。