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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

アクティブレンジャーはじめました!

2015年04月20日
羅臼 宮奈光一郎

はじめまして!

 4月より羅臼自然保護官環境事務所に着任しました、アクティブレンジャーの宮奈 光一郎です。東京からやって参りまして、4月に雪があることだけでも驚いております。これから沢山の初めてに出会えることを楽しみに、精一杯、自然と人を結ぶお手伝いをしていきます。よろしくお願いします!!

 4月7日に、アライグマの侵入がないか確認するために設置されたセンサーカメラを、確認しに行きました。アライグマとは、皆さんもご存じのように、北アメリカからペットとして移入された外来生物です。雑食性で気性が荒く、北海道では日本固有のニホンザリガニやエゾサンショウウオ、絶滅危惧種であるシマフクロウといった希少な生物が捕食されたり、エゾタヌキやキタキツネの住処が奪われたり、作物などが食べられるなどの影響がでています。そのため、生態系等に被害を及ぼし、または及ぼすおそれのある外来種である「特定外来生物」に指定されています。知床でアライグマを見かけることがありましたら、下記の連絡先にご報告ください。アライグマの姿かたちもここから確認することができます。

知床アライグマ調査グループ 
(北海道大学大学院文学研究科 地域システム科学講座 池田研究室内)
http://www.rausu-town.jp/machi/H260410%E3%80%80%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%9E%E6%83%85%E5%A0%B1.pdf



 厚い雪の上を、スノーシューを履いてセンサーカメラの設置場所へ向かい、電池や記憶媒体の交換、設置場所の調整などを行いました。

閉鎖中の知床横断道路の雪壁(2015年4月撮影)

まだまだ厚い雪が知床には残っています。※写真は熊の湯付近の写真です。



 センサーカメラとは名前の通りカメラにセンサーが付属したものであり、生きものなどがセンサーを通ると自動的に写真を撮ってくれる優れものです。夜間の撮影も可能で、普段見ることのできない生物の生態を確かめるためや防犯用など、様々なかたちで用いられています。

アライグマの出没状況を把握するために設置したセンサーカメラ(2015年4月撮影)

センサーカメラは木などに巻き付けて固定します。

 全てのセンサーカメラを確認しましたが、今回、アライグマは確認できませんでした。食べ物の少ない冬季では数が減ってきているのでしょうか。減少しているのは望ましいこと(もちろん、生きものが亡くなるのは嬉しいことではありませんが)ですが、これから暖かくなると活動も活発になるので、今後、確認数が増えるのかを注意して見ていきたいと思います。

 日本には素晴らしい自然が残っています。その自然をこれからも大切にしていくためにも、アライグマのようなことが起こらないように、責任をもって生きものを飼いましょう。



※注意
 アライグマは気性が荒いので近寄るのは危険です。また、狂犬病をもっている、アライグマ回虫(感染症を引き起こす)が寄生している可能性もあるので、見付けても近くに寄らないように、特に食べ物を与えないように注意してください。




(おまけ)センサーカメラに映った生きものたち

夜間、センサーカメラに映ったエゾキツネ

キタキツネ




夜間、センサーカメラに映ったエゾタヌキの尾エゾタヌキ(尾)