アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
最北の春
2015年04月28日はじめまして!
4月から利尻礼文サロベツ国立公園・サロベツ地区担当のアクティブ・レンジャー(以下AR)となりました、青山留美子と申します。
これからサロベツ地区の情報をお伝えしていく役を担いました。他のARに負けないよう発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
稚内に来た3月末の時点で既に雪はありませんでしたが、その頃よりも草の色や樹木の様子が生き生きとしてきたように感じます。
サロベツでも、エゾアカガエルの卵を見つけたりミズバショウが咲いたり、マガンやオオヒシクイたちが繁殖地へ帰るためにどんどん北上して来ているのが見えたりと、日々様々な春の刺激を感じています。
生き物情報は心躍る話ですが、ゴミが目立ってくるのも春の風物詩といえるのではないでしょうか。
雪が溶けた後はどこでもある光景だとは思いますが、ここ最北では規模が違います。
冬の間に海岸に流れ着いたゴミが大量です。さらに強風で飛ばされたゴミが、道路から見える海岸草原にひっかかり、国立公園の景観の中にがっかり要素を添えてしまっているのです。
早速私は4月19日に行われた、利尻礼文サロベツ国立公園パークボランティアの会と認定NPO法人サロベツ・エコ・ネットワークが主催の、稚咲内(わかさかない)海岸草原の清掃に参加して来ました。
一見すると何もないように見えるかもしれませんが......
ちぎれたビニール袋や、ペットボトルなどが埋もれており、遠くからみるよりも多くのゴミがあります。
枝にトゲのあるハマナスにも負けず、皆さん進んで行きます。
1時間程の作業でパンパンになった40リットルのゴミ袋たち。総勢86名で回収したゴミは、2tトラック3台分にもなりました。
それでもまだまだゴミは目立っています。一度で終わることではありません。
多くの方々の協力を得て、地道に続けていくことが大切だと思いました。
一面枯れ草色の草原も、よくよく見るとエゾエンゴサクが咲いており、
ゴミがなくなったことを喜んでいるようにも見えました。
国立公園の景観を守るために地道な作業を続けて下さる方々に支えられ、
利尻礼文サロベツ国立公園は観光シーズンを迎えようとしています。
サロベツの魅力を、観光で来ただけではなかなか見ることのできない地道な活動を、
随時紹介していけるよう、走り回りたいと思います!