アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
夏でも上着は必須です。
2015年05月26日もうすぐ6月ですが、朝晩はまだストーブが必要な時もある釧路湿原です。
釧路湿原国立公園は釧路市、釧路町、標茶町、鶴居村の4市町村にまたがっており、面積は28,788haで、その大部が日本最大の湿原である「釧路湿原」になります。釧路湿原の魅力は広大な水平的景観にあります。湿原の中心部は「特別保護地区」に指定され、足を踏み入れることは難しいですが、湿原周辺をぐるっと囲む丘陵地には市町村ごとに展望台などが整備されており、広大な景観を望むことができます。
これだけ広い釧路湿原では、同日でも場所によって大きく気温が違うこともしばしばです。巡視などに出かけると、釧路市内にある釧路湿原自然保護官事務所を出るときには6度、事務所から釧路湿原を挟み東側の標茶町にあるサルボ展望台に行くと、日差しも重なり15度以上、鶴居村を通り市村境界の釧路市湿原展望台を過ぎる頃には10度、そして釧路市内に帰ってくる夕方には8度、ということが多々ありました。
6月~8月は、釧路市は海霧が発生して日中でも気温があまり上がらず冷涼多湿な気候です。それに比べて内陸の標茶町や鶴居村は昼間に気温がぐっと高くなり晴の日も多いです。これから釧路湿原国立公園に来訪される方は、天候や場所によって気温が大きく変わりますので、脱ぎ着できる服装でお越し下さい。夏でも上着は必須です。
服装に触れたので、釧路湿原を散策する際に「あったらいいな」と思われるものをもう1点お伝えします。
湿原には虫がたくさん生息しています。そのおかげで鳥がたくさん生息できるのですが、散策の際には困ることもあります。虫除けグッズ(ほっかむりなど)の携行やうちわで煽ぎながら散策するとブヨや蚊、ハエなどの対策になります。これらの虫は気温や天気(雨や風)などによっても、出たり出なかったりするので、少し風のある日が散策にオススメです。
展望台から見られる新緑の絨毯はとても美しく、これから夏まで一気に生き物の息吹が駆け巡ります。
毎週姿を変える釧路湿原に、ぜひお越し下さい!
○釧路湿原の名物「やちぼうず群落」
新しいスゲがどんどん生長しています。
まもなく周りの草たちに埋もれてやちぼうずは見つけにくくなります。
○くしろ湿原ノロッコ号の運行が始まりました!
枯れヨシと新緑が混ざり合う釧路湿原から、刻一刻と真緑の釧路湿原へと変わっていきます。
※ノロッコ号のお問い合わせ JR釧路駅 0154-24-3176(5:30~22:30)