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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

歩道外への踏み込みにご注意を

2015年08月26日
利尻礼文サロベツ国立公園 高澤 和大

 こんにちは、礼文島担当アクティブレンジャーの高澤です。

 さっそくですが下の写真をご覧ください。ここは礼文島の岬めぐりコース、ゴロタ岬へと登っていく歩道なのですが、赤線で示した黒い溝のような箇所は何だと思いますか?

(2015年8月11日、岬めぐりコース)

 

 実はこの黒い溝が歩道です。ぱっと見ると右側の裸地が歩道に見えますがそこは植生がある場所で、利用者の多くが歩道のぬかるみを避けて歩きやすい植生の上を歩いてしまったために裸地化してしまいました。下の写真は以前にほぼ同一箇所を撮影したものです。レブンシオガマやエゾカンゾウが咲いていた箇所が踏みつけられてしまっているのがわかります。あえて花を踏みつけて歩く人はあまりいませんが、花期を過ぎるとこういった植生への踏み込みが目立ちます。

(2014年7月3日、岬めぐりコース)

 

 礼文島の自然歩道のうち、桃岩展望台コースや岬めぐりコースのゴロタ岬周辺は地質の関係で悪天候が続くと地面のぬかるみが特にひどくなります。今年の礼文島は一夏を通してすっきりしない天気が続いてしまい、たまに晴天の日があったとしても地面のぬかるみが解消されない状態となりました。そういった状態は多かれ少なかれ毎年発生し、植生への踏み込みも確認されるものですが、今年の夏は特に状態の良くないシーズンだったと感じます。

 

(左:2015年7月4日、右:2014年5月6日の桃岩展望台コ ース)

 

 自然歩道の利用の際は汚れてもいい防水性の靴を履き、歩道から外れて歩くことのないようお願いします。また、事前にフェリーターミナルの観光案内所や桃岩レンジャーハウスなどで歩道の状態について情報収集し、状態が良くないようであれば路面がしっかりしている岬めぐりコースの江戸屋山道の利用を検討するなどしていただければと思います。はるばる礼文島までやって来たのだから色々なコースを楽しみたい!という気持ちはよくわかりますが、ドロドロに汚れる覚悟をお持ちでない場合は楽しむどころか後悔することになりかねません。

 

 

 最後の写真は桃岩を背景に咲くツリガネニンジン。雪解けの頃からめまぐるしく移り変わってきた礼文島のお花畑もいよいよ終盤となりました。今回のAR日記では礼文島の自然歩道についてネガティブなイメージをお伝えしてしまいましたが、状態さえ良ければあまり汚れることもなく歩きやすい道がほとんどで、季節毎に様々な植物たちと気軽に出会える素敵なところです。

 

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 環境省では今年度から、そんな礼文島の代表的な自然歩道である桃岩展望台コースの整備に着手します。今後数年間をかけて老朽化した既存の木道や木柵の更新を実施していく予定です。実際の工事は9月後半から始まりますので、今後のAR日記で詳細をお伝えしていきたいと考えています。