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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

「雌」ではなく「雄」はいかが?

2015年08月28日
阿寒湖 北川 栄司

7月28日、気象庁は雌阿寒岳の観測データから火山活動が活発になっているとし、噴火警戒レベルをレベル1(活火山である事に留意)からレベル2(火口周辺規制)に引き上げました。そのため、現在は6合目(阿寒湖温泉登山道)、または7合目(雌阿寒温泉/オンネトー登山道)までしか登ることが出来ません。

(山頂への立ち入り規制表示)

(山頂への立ち入り規制表示)

体感できるような火山活動は起こっておらず、阿寒湖温泉周辺は平常と変わりがありませんが、百名山登頂を目指して来られた方は、残念な状況になっています。

しかし、実は「日本百名山」に記載されているのは「阿寒岳」であって、「雌阿寒岳」ではないのです。

「日本百名山」の作者、深田久弥氏が登山に来られた時には、「雌阿寒岳」がやはり火山活動のため登山できず、「雄阿寒岳」について書かれています。

歩行時間の短さや登山道が複数ある事、山頂の火口や麓のオンネトー、初夏の高山植物の風景など一般的には雌阿寒岳の知名度が高く、実際に登山者数も雌阿寒岳のほうが何倍も多くなっています。

ですが雄阿寒岳には、雌阿寒岳とはまた違った良さもあります。

まずは、パンケトー。

一般の方が近くまで行ける道路が無いため、湖全体を見ることが出来るのは雄阿寒岳の山頂からだけです。

(雄阿寒岳山頂から見えるパンケトー)

阿寒湖も、雌阿寒岳より間近に見ることが出来ますよ。

(雄阿寒岳から見た阿寒湖)

もちろん、屈斜路湖や知床連山などは雌阿寒岳から望むより近くに見えます。

登山道が1本しかなく、コースタイムが往復6時間程度かかりますが、これを機会にまた違った「阿寒岳」に登られてはいかがでしょうか。