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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

初冬の賑わい

2015年11月05日
利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

10月のサロベツは、爆弾低気圧や台風など激しい天気が続き、気がつくと一気に季節が進み、初冬の雰囲気が漂っています。

訪れる人も減り、寒く寂しい季節かと思いきや、

イベントが立て続けにあり、寒さを吹き飛ばすような賑わいを見せました。



イベント(1)は「湿原保全のためのササ刈り」です。


幌延ビジターセンターの木道を歩き始めると、ササが多く目につきます。

更に奥に行くと植生はミズゴケなどへと変わり、湿原とササとの闘いを目の当たりに出来る場所です。

ササの進行を一部でも食い止め、サロベツで見られるはずの湿原本来の状態を見てもらえるようにと、パークボランティアの方々とササ刈りを始め、今年で10年目を迎えました。



10年間続けてきた場所なので、生えているササは他の場所に比べてとても小さく、

一つ一つ手で刈り取るしかありません。








ササを取り除くと、下からはミズゴケが顔を出し、ガンコウランやツルコケモモなども思った以上に見られ、湿原もササに負けじと頑張っている様子をとても間近で見ることができました。







木道沿いのほんの一角ですが、効果は一目瞭然です!

お越しの際は、是非見比べてみて下さい!

     

イベント(2)は「下サロベツ木道自然観察会~ハイクでサロベツ!~」です。


「花の咲いていない湿原で何が見られるのか」と思われるかもしれません。

実際にその質問をされると即答はできませんが、目立つ花がないからこそ、見つけられるもの・感じられるものがある筈です。

その見つけたもの・感じた事を俳句で表現してみようという観察会を行いました。





まずは木道を歩きます。

冬を越す姿になった木の様子や紅葉したミズゴケ、南下するハクチョウ達、次の春を待つ草花達の姿などを観察し、雲の動きや風を感じながら、思い思いに木道を散策。






それぞれに何かを感じて室内に戻った後は、俳句づくりに挑戦です。

30分ほどでしたが、秀逸な作品がたくさんできました!(多い人では6句も!)







何も無いように見える晩秋の湿原ですが、完成した俳句からは湿原が様々な刺激を与えてくれた事、同じ時間に同じ木道を歩いたのに、人によって見たものや感じたものが違う事がわかります。



作品は幌延ビジターセンター2階に展示中です。

がしかし、幌延ビジターセンターは10月31日で閉館し、春がくるまで冬眠に入りました。

冬を越し春になってから、こちらにお越しの際には是非ご覧下さい!

そして、あなたも湿原を歩いて一句作ってみて下さい!



サロベツ周辺では、夏の間開いていた休憩施設やトイレなどが閉鎖し、冬支度が着々と進んでいます。

しかし、サロベツ湿原センターは冬も開館しています!

冬の湿原はどんな表情を見せてくれるのか、そして何を感じるのか、その答えは、寒さに負けず訪れた人にしか見つかりません。

冬も、皆様のお越しをお待ちしております!



■サロベツ湿原センターのご案内■

11月~4月 営業時間:10:00~16:00

       休館日:月曜日、12/29~1/3