北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

稚内の冬の楽しみ 

2016年02月15日
稚内 青山留美子

日が長くなってきたのを感じる2月ですが、

稚内の冬は今が本番とばかりに強風が吹き荒れ、視界を真っ白にしていきます。

そんな冬の稚内では、どんな生き物が観られると思いますか?

冬と言えば、ハクチョウ・オオワシ・オジロワシを私は思い描いていましたが、

年を越す前にそれらの多くは南下して行きました。

冬の初め頃の私は、稚内で冬に観られる生き物はいないのではないかと思った程です。

そんな私の心配を払拭するべく、2月7日に観察会を開催しました。


冬の稚内は港が熱いのです!

市街地の近くにありながら、シベリア方面から越冬の為に渡ってきた海鳥たちに出会えるからです。

そんな海鳥たちを観察するため、まずは室内にて、港で観られるかもしれない海鳥の特徴を知り、双眼鏡の練習をして準備を整えます。長年観察してこられたパークボランティアさんが、講師として私たちを導いてくれます。

その後、港へと移動して観察を行いました。


ただ観るだけではなく、稚内で観られる代表的な3種類がどのくらいいるのか、

各自でカウントしてもらいました。


白が際立つコオリガモ


模様が斬新なシノリガモ


黒い色と嘴のオレンジ色がわかりやすいクロガモ


3種類の見分けが完璧になると、メスの難しさに悩みます。

そして更に慣れると、違う種類の鳥を発見するに至ります。

おかげで、マガモ・スズガモ・ヒメウも観ることができました。


海ばかり探していましたが、対岸の丘にオジロワシがいつも留まっていることを知っている参加者がおり、最後はオジロワシ探しとなりました。捜索の結果、枝に留まるオジロワシ2羽と、おまけにエゾシカも確認できました。


市街地にいながら、この冬を耐え抜いている多くの生き物がいることを知ることができました。

寒いからと家に閉じ籠もっていてはもったいないです。

寒い冬だからこそ出会える生き物たちに、まだまだ会いに行きたいと思った観察会でした。


ご参加頂きました皆様、ありがとうございました。