アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
春の足跡が聞こえる羅臼にやってきた流氷
2016年04月04日知床でも、雪溶けが進み、フキノトウ(アキタブキ)が溶けた雪の隙間から顔を出し始めました。ここにも春が訪れようとしています。
暖かな日差しが雪をゆっくりと溶かしており、春を待っていた生きものたちの声が聞こえてくるようです。
※ 知床ではすでにヒグマが活動をはじめていますので、ご注意を!(詳細後述)
雪原や冬山をお散歩できる日も残りわずかだなぁと考えていた時にふと、羅臼沖を眺めていると...
んん? 国後島周辺に何かあるような...
あれ?知床で流氷ってそんなに珍しかったっけ?これだけで記事にするほどのものか?と思われた方もおられるかもしれません。
確かに、知床では厳冬期を迎えると毎年、海一面を流氷が覆います。
そして、流氷の上でオオワシやゴマフアザラシなどが息づく姿を見ることができます(写真は過去に撮影したものです)。
そんな光景を毎年多くの方が見に来てくださるのですが、昨年(平成27年)はなんと流氷が全く羅臼にやってきませんでした...
流氷初日は3月25日(海上保安庁「海氷情報センター」より)。
昨年よりも1ヶ月以上遅い到来となりました(昨年の流氷初日は2月17日)。
やっときた!というよりも、今さら...と思ってしまうほど、遅い到来です。(しかも量が少ない...)
何が原因でこのような状況となったのでしょうか。
また、生態系にはどのような影響があるのでしょうか。
今年の知床は例年と異なる状況があるかもしれません。
心新たに、巡視等の情報収集に身を引き締めて取り組んでいきたいと思います。
※ 知床の冬山等を利用される方は、現地情報を収集し、ヒグマ対策を万全に行ってください。
知床ヒグマ対策情報↓
環境省「シレココ」:https://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/sirecoco/bear02/
知床財団「ヒグマ対処法」:http://www.shiretoko.or.jp/library/bear/