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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

観光と安全

2016年05月12日
利尻礼文サロベツ国立公園 今泉潤

2016年4月に利尻島のアクティブレンジャーとして着任した今泉です。
私の前職は化学工場での安全管理です。
着任早々山での遭難死亡事故が発生しました。
万全の装備・適切な登山計画をもってしても判断を誤ればすぐに重大事故につながります。山の厳しさを改めて感じました。



利尻山のふもとには風光明媚で自然密度の濃い場所が多数あります。
その一つが姫沼園地です。晴れて風がない時は逆さ富士を見ることができます。
沼にはオシドリ・カイツブリ・アカゲラなど多種類の野鳥がやってきます。
北海道しかいないクマゲラの鳴き声も初めて聴きました。いつか姿を見たいものです。

(姫沼と逆さ富士)


宗谷地方は風が強い所です。利尻島の姫沼でもこの強風によってよく木が倒れます。
地形的に利尻山(1721m)と隣接するポン山(444m)の谷に風が集中し、その先に姫沼があるのが原因のひとつのようです。
木は途中で折れることもあり、根こそぎ倒れているところもよく見ます。
姫沼の周回コースの木道が倒れた木で壊れることもあります。倒木や倒れそうな危険な木を見つけたら通行止めにして観光客の安全確保を第一に動きます。


生きている木はもちろん大切ですが、枯れた木でもキツツキにとっては大切な餌場。
国立公園の安全な利用と自然保全とのバランスをどこにとるかを今後も学びたいです。

(専門業者による倒木処理作業)