アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
礼文島外来種除去リレー
2016年05月30日皆さんこんにちは。礼文担当アクティブレンジャーの小笠原です。
季節は初夏。日が出ている時間も長くなり、北海道でも気温が高い日が続いていますね。
皆さんはどのようにお過ごしでしょうか?
写真1 :桃岩展望台コースより、レブンハナシノブ(礼文島ホームページ、礼文花図鑑参照)。現在、礼文島では様々な花があちこちで咲き乱れています。
今回は、5月28日に礼文島鉄府海岸にて行われた外来種除去リレー活動についてお話し致します。この外来種除去リレーは、今年で3年目を迎えます。
外来種除去リレーってなんぞや?という方のために簡単に説明しますと、外からやってきて元から居た植物を圧迫する外来種を除去して在来の植物を保護しましょうという活動を利尻礼文サロベツ国立公園の各地区にてタスキをつなぐリレー制で行っているのです。
外来種問題については、皆さんもテレビなどで聞いたことがあるのではないでしょうか?
アライグマをはじめとした動物関係が大きく取り上げられがちですが、植物関係でも重要な問題なのです。
さて、今年のリレーの出発点となった礼文島での除去対象は、セイヨウタンポポです。
町中でもよく見られるような、私たちにとっては馴染みのあるポピュラーな植物ですよね。
しかし、そんなセイヨウタンポポも立派な外来種です。
特にここ、礼文島では在来種であるエゾタンポポとの競合が心配されています。
繁殖力がとても強いセイヨウタンポポは、放置するとぐんぐん勢力を伸ばしかねません。
よって、定期的な除去によって個体数がこれ以上増えないように、あるいは個体数を減らすようにしていかなければならないのです。
写真2 :黙々と作業する参加者の皆さん。みるみるうちに黄色い花が減っていきます。
実施日の5月28日は最高の天気に恵まれ、心地よい風と日光を浴びながら参加者の皆さん全員がはつらつと活動してくださいました。根が深いセイヨウタンポポは中々キレイに抜くことはできません。しかし、根気よく粘り強くタンポポを皆で抜いていきました。
写真3 :参加してくださった皆さんと一緒に。ご協力ありがとうございました。
最終的には45リットルのゴミ袋が5つも満杯になるほどのセイヨウタンポポが除去されることとなりました(ついでに海岸に漂着していたゴミも2袋分回収しました)。
外来種は一度定着してしまうと、動物・植物問わず根絶するまで長い時間とたくさんの労力が必要となってしまいます。除去活動を行っていくうえでは、このように地道な活動を継続して続けていくことが大事です。
そんなわけで、これからも積極的に活動していこうと決意して、次の地域へとタスキを回していこうと思います。